タナカ ルガー スーパーレッドホーク (ペガサス ガスリボルバー)は絶版になって久しいが, 2025年の今も中古品は流通している。ペガサスの黎明期モデルであり、当初はやたらパワーがあるだけでロクに当たらない銃だった印象がある。
さて現在, S&W系ver.3モデルが3インチ足らずで50mの狙撃を達成したところをみて, 古いスーパーレッドホークも同じポテンシャルが引き出せるのではないかとチューニングしてみたところ, 驚異的な性能を秘めていることが分かった。もちろん全個体でインナーバレルのカットが必須・前提となる。
スターム・ルガー独特のシンプルなユニット構造, S&Wやコルトと全然違うトリガーの引き味の面白さに狙撃性能が加わると, リボルバーフリークにとっては面白い事この上ない。VSR-10に近い性能で6連射できる, となればこれはもうサバゲー御用達の狙撃銃と思えるほどだった。
出力関連カスタム
1. インナーバレルをVer.3バレルに置換または, ノーマルを93mm以下にカット。
※インナーバレルはハウジングのイモネジ1個で留めるだけの為, ver3バレル換装時はM29用またはM19用のどちらでも使用できる。
2. シリンダーガスタンクはスリーブ抜きの基本形(フルパワー)にする。
この組み合わせで初速80~94m/s程(0.2g)になる。なお50m狙撃のためには0.25gBB弾(マルイ ファイネスト)を基本とした方が良い。
命中精度関連カスタム
1. ファイヤフライのゲボスケを使用する。
ノーマル保持パッキンの抜弾抵抗は集弾性に悪影響を及ぼす。ゲボスケで装弾数は6~10発に減るが, 当たらない15連発より当たる6発のほうが良い。
2. HOPパッキンはノーマルでも50m狙撃は達成できるが, ver3パッキン&バレルのほうが50m先の集弾性はより安定する。
・ver3バレルに置換する場合もノーマルHOP機構(スチールボール+イモネジ)は生かしておく。
・ver3パッキン使用時, HOP調整用イモネジが長すぎるので0.5~1mmほど削って短くする。ノーマルパッキン使用時はイモネジを削る必要はない。
・ver3パッキンはそのままでは幅が広くハウジングに入らない。パッキンの左右両端を0.5mmほど, ハサミ等で均等に丁寧にカット。
4. インナーバレルの入口側にファンネル加工を施す。
・入口に面取り加工後のエッジが残っているため、そこを滑らかにすると遠距離での着弾ブレがかなり緩和する。
・ラバーポイント(リューター)でエッジを消したあと, コンパウンドで研磨。
・リボルバーの機種によっては入口径の拡張も有効。要するにシリンダーの僅かなセンターずれを、乱回転を起こさせずにHOPパッキンまで誘導するための処置である。

▲ ノーマル加工済みバレル。リボルバーは全般的にバレル入口ファンネル加工を施すと着弾の荒れが抑えられる。
外装 アウターバレル関連
・アウターバレルの先端はインナー外径サイズに絞られているため、これをドリルで10~11mm程度に拡張する。そうしないとBB弾が内側で当たってアウターが破損してしまう。
・元々アウターバレルはインナーバレルにイモネジで留められているが, インナーカット後はそれが出来ない為, アウターは差し込むだけにしている。
ゆるい場合は紙テープなどを貼って調整。バレルスリーブはそのまま利用するが, インナーバレルにはテープを巻いてセンターを出した方がより安定性は上がる。
シリンダー関連リペア
・スイングアウトできない状態はノッカーピンの引き込み不足が要因
スプリングが弱って戻しきれずにピンのエッジが引っかかるため、スプリング引き延ばし&ノッカーピン先端の面取りで対処する。
メカ関連カスタム
・要所を研磨すると特にダブルアクション時の作動がよりスムースになる。
※ハンマーストラットのバネ接触部エッジ, シリンダーハンド側面, ハンマー×トリガーの接触部, シリンダーストップ頭など
・要所のみグリスアップしておく。
※トリガー×シリンダーストップ接触部, シリンダーハンド側面, ハンマー側面, ハンマーストラットのバネ部分など

▲ スコープマウント(マルシン製)にSIISの2×20ピストルスコープを載せてみたところ, レンズ越しに弾道が50m先まで追える。シューティング, プリンキングが非常に面白くてつい長時間遊んでしまう。しかしピストルスコープは簡単に暗転(蹴られ)してしまうので, サバゲーには全く向いていない。サバゲーで使用するならオープンサイトで充分だと思う。
参考までに, 冒頭写真にあるアラスカンタイプはインナーバレル60mmカットで初速75前後とこれもまた十分ゲームに使えそうである。
アラスカンはマルシンも同じくして, 発射時の破裂音・爆音が楽しい。
▼ 【参考】マルシン スーパーレッドホーク 7.5 HW

マルシンのファインチューニングも色々頑張ってみているが、どうしても弾道が不安定なため、遠距離狙撃は無理そうだ。
HOPパッキンがXカート先端から20ミリも離れている躓きすぎホップや, インナー-カート-ガスポート間に隙間がありすぎるのは修正が難しいところである。
6連射のうち1発は50mに届くこともあるが、基本30m狙撃も安定しない。マルシンはM29系が一番安定度は高いように思う。
→後日、新型Xカートで試したら全弾50mに当てうるレベルになった。ゲボスケよりもゆるい抜弾抵抗と均一性が、新型でかなり向上したようだ。

タナカ スーパーレッドホーク トリビアMEMO
・シリンダー(ケース単体)の重量差 44MAG:144g 454C:158g
たった14gでもトリガーの引き心地に影響する。454Cは慣性が大きく、パーツやメカに負担がかかっている印象を受ける。


