2025年11月のリボルバー限定戦(貸切)では、クラウン18禁やタナカ2インチスナブノーズ(Detective SP)でも十分戦えることを確認できた。
使うエアガンの性能によって自分の動き方を変えていく戦い方は、リボルバー戦に限らずほとんどのサバゲーやゲームに通ずると思っている。
弾数の少ないリボルバー戦においては、性能差よりも裏取りや隠密行動が中心になるので、使えるリボルバーの種類が幅広いほど楽しい。
今回リボルバー限定サバゲーで初めてクラウン18禁エアーリボルバーM29を使った感想としては、まさに必要十分だった。
クラウンは時々30mストレートが撃てたりするが、基本的には対戦距離7mを超えると直進性は保証されない。
それを立ち回りで補っていくのだが、チューニングに関しては低い限界があるということを再認識した。
カートリッジ内で加速されたBB弾がさらに20ミリ先のHOPパッキンにぶち当たり、パッキンを押し上げてエアーを逃がしつつ、インナーバレル内は慣性で飛んでいくという謎の仕組みは、簡単には改良しようがないと思う。
そこでチューニングの伸びしろに着目した結果、マルイの新作(?)10禁 M29エアーリボルバーを試してみることにした。
10禁ローパワーゆえにエアガンとしての評価は微妙になってしまっているが、新たな44マグナムカートリッジはファイヤフライのゲボスケよりも抜弾抵抗が少なく、HOP構造はエアーハンドガンと同等、本体構造はバレルの抜き出しやHOP調整、スプリング交換も簡単な造りになっている。クラウンHOP機構よりも希望の光が見える気がしたのである。
なお当記事はあくまでフルスペック(制限なし)のリボルバー限定戦を想定したもので、本来は10禁エアガンであったことを完全に忘れているのでご注意いただきたい。

外観や動作はマルイに軍配
ふたつを比べてみると、ディテールや細かいところの造形、仕上がりにおいてクラウンよりもマルイの方がシャープで高級感があって、なかなかよく出来ている。
動作についても、可動フォーシングコーンの無いマルイのほうが当然スムーズでキレも良い。カートを前方に押して気密を上げ、BB弾をHOPラバーに近づけるという仕組みはメリットが多いと思う。
またタナカと同様にBB弾を4発シリンダー前方からファストリロードでき、トリガーでシリンダーを空転させれば残りの2発が装填できるのが特長となる。
サバゲー中のカート・リロードはまず紛失するのであまりお勧めできない。
クラウンの優位点があるとしたら、0.2gBBで50m/sも出せることや、時々30m超えのストレートが決まること、後方から6発ファストリロードできる事だろうか。ハンマーコックの固さは慣れるのであまり問題にならない。
チューニングポイントは2つ
エアコキ特有の低い初速や、HITに気づける着弾インパクトを考慮して、0.2gBB適正化と初速アップのチューニングを実施。
もちろん0.25gのほうが遠い距離で安定するが、HOPを強めることで遅い弾速がさらに遅くなってしまう為、バランスのいい所で収めた方が良い。
ちなみに10禁サバゲーにおいても0.2gを推奨している。0.12gでは被弾(ヒット)認識率が低すぎるし、弾の飛距離云々や精度よりも
立ち回りによる接近と着弾インパクトのほうが10禁サバゲーには必要だと思うのである。
・スプリング交換
エアーハンドガンと同規格のスプリングなので、ファイヤフライの漢ばね(強、長い方)を入れてみた。
初速は0.2gで約40m/s。クラウンR18が50m/sなのでだいぶ弱めだが、その分ハンマーコックはラクで辛うじて片手で操作できる。
もしクラウンR18のバネを入れればもう少し上がるのかもしれないが、片手コックは出来なくなる。
・HOPラバーはテープでカサ増し
エアーハンドガンやエアーショットガンと同じHOPパッキンのため、サードパーティ品を試すこともできるが、その必要もない。
ラバー突起の上部にDAISOマスキングテープ(3x5mm程度)を 2~3枚貼るだけで0.2g対応になる。4枚だと0.25gでも強すぎた。
これにより0.2g弾で20m程の安定射程が望める。
ちなみにクラウンM29のホップ調整は、10禁仕様HOPにはテープ厚めカサ増し、18禁HOPはパッキンカバーにあるホップ抑制の突起をわずかに削って(山を低くして)0.2gに対応させてある。
その他、チャンバー内のバリ取りと入口ファンネル加工といったところ。マルイM29も念のため入口最端のバリ取りはやっておいた。
射撃テスト
ここはさすがマルイ、15m-A3ターゲットは殆ど外すことが無いレベルで当たる。リボルバー限定戦には十分である。
今回、HOPカサ増し枚数を2~4枚で試したが、3枚貼りで0.2g弾が30m弱までほぼ直進してくれる。初速40m/s程度なのでこんなものだろう。
いずれにせよ弾道の安定性はクラウンに比べて段違いであり、リボルバー戦ならタナカスペックを相手にしても十分戦えると思う。
次回のリボルバー戦で試してみたい。
◇ おまけコーナー - 初代マルイM29 (造るモデルガン)とツーショット
東京マルイは1985年頃にもM29(モデルガン)を作っていた。
特にカートリッジをフォーシングコーンに押しこむ発想やその機構は、マルイならではの独創的ものだった。
それが引き継がれたような形でエアガン化されたのは何だか感慨深い。


