[GAS] タナカ S&W M29 4インチ ~最高のトリガーフィーリング

S&W M29

スペック
全長:251mm
重量:740g
装弾数:14発
参考初速:64.9m/s (0.42J)
固定ホップアップシステム

最高のトリガーフィーリング
タナカ ペガサスS&W M29シリーズは、モデルガンとエアーガンの妥協点を探ったモデルとして、史上最高の出来だと感じる点がいくつかある。BB弾が入るカートリッジこそ欠落してしまったが、サバイバルゲーム寄りに見た場合「ケースレス」や「手軽さ」を評価できるし、モデルガン寄りに見た場合「メタルシリンダー」「リアルメカ」を評価できるのである。

そしてリボルバーガスガンとして史上最高といえるのは、その「トリガーフィーリング」にある。過去にマルシン・マルイ・クラウン ・コクサイの各社のガス・リボルバーを手にしてきたが、タナカ ペガサスの操作感覚はコクサイの金属製モデルガンに近い高品質な感触である。なめらかな動作とシリンダーストップがシリンダー(メタルカバー)に当たる金属音が非常に心地よい。撃ってみるとパワー感もあってなかなか楽しい。

どうしてこんなに動作が滑らかなのか、よく観察してみるとシリンダー前面とバレルの接触部分が平面なのである。今までのモデルは、気密性や一直線性を高めるため、バレル側をオスのテーパー、シリンダ側はメスのテーパーという形でかみ合うよう設計されてきたものが多かった。さらにバレル側にスプリングのテンションがかかることで、おそらく気密性能は達成したものの、ダブルアクション時に嫌な抵抗感があった。シリンダーの回り初めに過大な抵抗がかかり、ギクシャクするのである。タナカM29は全くこの設計をしていない。バレル側(フォーシングコーン)には単にOリングがあるのみである。

これはシリンダー内にガスタンクを収めたペガサスシステムにより、今まで考えられなかった高いガス効率を発揮できるようになった点と、シリンダー(正確にはガスタンクカバー&ローディングホール)を金属製にしたことで、面精度や回転、ロックの精度を高めることができたゆえ出来た芸当であろう。バレルとシリンダーの直線性もかなり精度が高まっていると見られる。また同じタナカリボルバーで比較してもM19より二回り大きいNフレームのためシリンダーも大きく、安定したパワーを確保できる。ほとんど季節を問わない信頼性は頼もしい。
ガスリボルバーはオートに比べれば効率や精度面でかなわないが、歴史ある曲面ベースのデザインは見ていても飽きることが無い。是非ともコレクションしておきたい一挺である。

自然な感触の「ダブルアクション」トリガーシステム
ダブルアクションリボルバーは、ご存知の通り、指でトリガーを何度も引くことによる連射が前提となっている。同じダブルアクションでも、オートマチックはシングルアクションを前提としているので、あくまで安全対策と、不発時の緊急(リトライ)用となる。

リボルバーのトリガー形状や全体のデザインを、オートマチックと比べると違いがよく分かるが、射撃体勢をとったときリボルバーは銃身の軸に対して少し上方から握るようになる。これは、支点を軸に半弧を描くトリガーに対し指が自然に追随する形状となっており、自然に引き絞れるため、連射を繰り返しても疲労が少ない。対してオートマチックは、支点を軸に半弧を描くトリガーに対し、指はまっすぐにしか引っぱれない。また始動時のトリガーまでの距離がどうしても遠くなってしまう。スライド固定式オートとリボルバーガスガンに置いてこの違いは顕著で、断然リボルバーのほうが連射しやすい。特にS&Wシステムのアクションは、トリガーをゆっくり引いても確実な動作を見ることができて心地よい。

次にハンマーだが、リボルバーはオートマチックのそれよりはるかに大型でストロークも大きいため、ガスガンに置き換えれば簡単にバルブインパクトパワーを得られる。タナカペガサスの場合、さらにパワーロスを極限まで抑えることに成功しているので、ようやくこれで1年中通しても遊べる、信頼性の高いリボルバーガスガンが誕生したといえる。M19、M36など小型のリボルバと比較すると、シリンダー容積の大きさがメリットとなり、安定性に優れている。

さて実射性能だが、M29の固定ホップは0.25g以上の弾でないと上昇してしまうようである。またガスタンクと一体のマガジンは多弾装填のため、保持するパッキンがタイトに作られており、弾に余計なテンションをかけているので、バラツキが発生する。ここは装填数を犠牲にして、パッキンのテンションを落とせば、命中精度も安定化するだろう。
しかしながらシリンダー~バレルの精度が昔より高くなったとはいえ、やはり継ぎ目があるわけで、オートのような命中精度は求められない。ゲームにおいてノーマルで使用する場合、実際の有効射程は10-15mというところだろうか。

しかしリボルバーならではのデザインや握り心地、タナカペガサスの質感と連射感覚は、他のガスガンとは違った面白さと満足感があるので、一挺は持っておいても面白いのではないだろうか?