スペック
全長:1127mm
重量:3850g
銃身長:500mm
装弾数:70発/ 440発(オプション)
参考初速:92.8m/s(0.86J)
その性能に抜け目なしのバトルライフル
M14の歴史を紐解いてみると、ベトナム戦時代の採用時には不遇だったものの、現代ではそのストッピングパワーや中距離狙撃といった素質が見直され、活躍の場も多いようだ。映画ブラックホークダウンで登場し、東京マルイからも電動ガンとして発売されて以来、飛躍的に注目度が高まったようにも見える。電動ガンとしての造りの面でも、フルメタルで頑丈であることと、フルオート弾幕から狙撃まで広い守備範囲が期待できる上、スタイルも古臭いライフルっぽさが他にはなくカッコ良い。しかしその長さや重さゆえ、なかなか使いこなせないという声も多いようだ。
さて私もネット注文で商品が届いて、フタをあけてみれば確かに、今までになく長くて重い代物だった。約1100mmの全長は、よく言えば存在感や迫力がケタ違いとも言えるが、果たして使いこなせるかどうか自信がなかったのが正直なところだ。電動のメカボックスについては、私はこれまでさまざまなチューンを試してきた末、手を加えない純正の状態がやはり最も最適化されている、という結論に至ったので、とくにメカチューニングはしない予定だ。もし今後やるとしても木製ストック化だけで充分だろうと考えている。
習うより慣れろ
東京マルイ M14を購入した目的は、もちろんサバイバルゲーム投入である。これまで所有してきた電動ガンの中では、かつてない長さと重さだったので、次回のゲームまでに、とにかく毎日のように自宅で持って構えて慣れてみることにした。とりあえず弱点となる重さや長さというのは、人間側である程度慣れることは出来るはずである。
そしてゲーム当日.. フィールドに持ち出してみると、意外にそれほど弱点として感じなくなっていた。ただしブッシュの多いフィールドでは、このライフルの歴史が物語っているように非常に取り回しづらい。移動時には立てて抱えていくしかないため、ブッシュではほとんど戦力外となってしまう。インドアでも同様のことが言えるだろう。これだとハンドガン等のサイドアームが必須かもしれないと感じた。しかし逆に、開けている場所では他より一線秀でた性能を発揮してくれることも分かった。
実射インプレッション
第一印象としてまず特筆すべきことは、M14のカタチの扱いやすさ、構えやすさである。サッと構えると必ず定位置に安定し、すぐさまサイティングできる。このシンプルなカタチが延々と愛されているのが何だか分かる。そして非常に見やすいピープサイト。M16よりも位置は低いが、穴が大きくしっかり銃を保持して見られる位置にある。照準線が実際の弾道のラインに近く、発射から飛行~着弾までを目視で追える、非常に信頼性の高いピープサイトである。ただし、最初からじかに頬を付けて照準する設計になっているので、フルフェイスマスクをすると、照準が低すぎて合わせられない点は注意したほうが良い。
中-遠距離射撃の安定性が抜群。後方支援に有力!
ゲームを進めていくと、全般的に40m~50m程度の遠距離での命中精度が安定していることが分かった。M16やM4、他のSMGよりも遠く安定して届いている。
銃身の長さなど関係ないと今まで思っていたが、ポンプとのバランスが良いのかもしれない。さらにその剛性と、構えが安定させられることも大きなプラスポイントであろう。しかしながら反動がないにも関わらず、実銃が示すとおりフルオートにあまり適していないことも分かった。バラ撒く操作、つまりトリガーを引きながら横になぎるような動きには全く向いていない。
理由の一つは、すぐに振り向けないその”全長”と、グリップ形状がトリガーを引き続けるには適していない点である。本体の重さを手のひらではなく「指」で支えつつトリガーを引かなければいけないため、2~3ゲームで右手がクタクタになってしまった。さらに今までになく腕と腰の筋肉を痛めた。。。移動時、かがみ歩きということもあり、慣れないとこの重さはこたえるかもしれない。
だが、命中安定性は今のところ電動ガン最高峰と言える。とくにセミオート射撃は、東京マルイの電動ガンではこれ以上ないほど好感触で、タイムラグが非常に少なく、かなりの速射が可能である。今回はセミオートだけでも相当数の敵をゲットすることができ、疲れはしたがとても楽しいゲームとなった。1日使用した感触(6~8ゲーム)のみだが、これを持った相手を敵に回したくないなと感じた。それなりに扱える人であれば、相乗効果でかなり怖い存在になるだろうと思う。そしてM14は、動いて最前線でアタックするよりも、後方からの援護・防御としての使用が最も有効と思われる。これも実銃と同じ特性といえる。
ゲームで使うならすっぴんが推奨
M14はスコープなど過剰装備を付けるとさらに取り回しかきかなくなるので、遠距離スナイパー役以外なら「素」で使用することをオススメする。ブラックホークダウン でインパクトの強かったドットサイト仕様も、素早い照準という意味ではアタッカー向けとして有効な装備だが、いかんせん重量が増してしまい、素早い照準どころかそもそも動きづらくなってくる。倍率スコープを装備すると振り回しにくい分、相手を照準に収めるのも難しくなるが、もしあなたがスナイパーとしての動きをするなら、試してみるのも面白いだろう。フルオートも可能なのだから、ボルトアクションライフルなど相手ではない。M14は非常に心強い相棒となるに違いない。