リポバッテリー特集

バッテリー

リチウムポリマーバッテリーの特徴

2010年...その高性能ぶりから電動ガンへの利用にも注目され始めたリチウムポリマーバッテリー (通称 リポバッテリー/ Lipo )。結論から言えば、現時点において電動ガンに最適のパワーソースと考えられる。ここではリポバッテリーの基礎知識を紹介しておきたい。

・小型軽量でかさばらない
Lipo は、電動ガンでこれまで使われてきた、ニッカドやニッケル水素よりもさらに軽量コンパクトで、しかも大容量・大出力のバッテリーである。ミニSバッテリーのサイズで、最大2400mAhもの容量を持ち、瞬間最大72A(2400mAh30Cの場合)もの瞬間電流を引き出せるポテンシャルを持っている。

・メモリー効果が無く、放電作業が不要
携帯電話(リチウムイオン電池)と同じ要領で、切れかかったら継ぎ足し充電を行うだけ。自己放電はほとんど無い。

・冬でも安定したパワーを供給
Lipoは低温下でも電動ガンに充分な放電能力が発揮できるため、ニッケル水素のように目に見えるパワーダウンは起こらない。

・販売価格が安い
Lipoに似たようなバッテリーで「リフェバッテリー(LiFePO4)」というものが存在するが、そちらは現時点では価格が高いのがネック。また特性としてはリポバッテリー よりも1セルあたりの電圧が低く、パンチ力も若干鈍い。電動ガンにはLipoのほうが向いていると考えられる。

電動ガンにリポバッテリーを使うメリット

トリガーの反応が速い!鋭いレスポンスが実現

・公称電圧が7.4Vと低くても、ニッケル水素やニッカド以上に大容量の電力を放出する能力を持っているため、電動ガンに一切手を加えなくても、非常に鋭いレスポンスが手に入る。とくに、セミオート射撃時や、バースト時の爽快さは段違いにアップ。フルオートもやや高速で安定した回転となり、電動ガンの本来のポテンシャルを最大限に引き出す。

・電圧はニッケル水素よりも低いので、スイッチやモーター、メカに急激な負荷を与えるものではない。ただし、モーターの負荷(要求)に応じた大電流が流せるため、ヒューズのグレードアップが必要な場合がある。

↑電動ガン専用リポバッテリーブランド ET1 のスティックタイプバッテリー

小型で大容量
LIPOは、ニッケル水素1300mAhと同じ大きさで2000mAh~2400mAhの大容量を実現している。これだけあれば、殆どのゲームで1日持たせることが出来る。
小型で大容量でパンチ力のあるバッテリーなら、使ってみて損はない。

LiPoバッテリーの規格や取り扱い

電圧 V (ボルト)
1本(セル)あたり3.7Vの電圧をもつ。

バッテリーパックの構成
2Sなどの「S」は直列接続の単位で、2Sであれば2本直列で繋がれているという意味。(並列接続の単位はP)電動ガンでは2セルの7.4Vが基本となるが、カスタム向けに3セルの11.1Vも販売されている。

容量 mAh(ミリアンペア アワー)
バッテリーの容量を表す単位。「mA」は電気の流れる量(1Aの1000分の1)、 h は1時間単位を意味する。2000mAhと表示されている電池は1時間に2.0A の電流を使える容量を持つことを示す。

充放電許容量 C (CmA/シーミリアンペア)
Cはキャパシティ(容量/Capacity)の頭文字「C」。1Cはバッテリーの容量電流値(mAh)を示し、バッテリーが1時間流せる(放電できる)電流値を表す単位。
放電出来る電流は、容量「mAh」に放電能力を表す「C」をかければ求められる。

例えば、容量2000mAh 30Cの Lipo の放電能力は、2.0A×30=60Aとなる。
バッテリー出力の理論値は、この場合「最大60A」まで引き出せる「ポテンシャル」を持っているということであり、常にその電流が流し出されるのではなく、モーターの要求、つまり負荷次第で変わってくる。マルイのノーマル電動ガンは効率よく設計されており、ヒューズ容量(15A)を超える大電流は基本的には流れないので安心して良い。但し、モーターやスプリングなどを交換して、より強い負荷がかかった場合のみ、モーターが要求しただけの大電流が引き出されることになる。そのため、単にリポバッテリーの使用によって故障が誘発されるものではない。

なお「充電」は安全のために、基本的に1C(2000mAhなら2.0A)以下で行う。 1C充電は満充電まで約1時間かかるという意味になる。2C程度までかけても問題はないが、実際のバッテリーは2Cの電流を吸い上げてくれない。

セルバランスとは?
各セルはそれぞれ独自の電圧を持っており、使用するうちに電圧は徐々にずれてしまう。この差が大きくなると、どちらかのセルに過放電あるいは過充電の状態が起こり、リポバッテリーは破損してしまう。各セル同士で電圧を揃えておくことが、動力源としての性能を引き出すにはもっとも効果的である。

バランス端子とは?
各セルのプラスマイナスからコードを引いてまとめたのがバランス端子(コネクター)であり、7.4V2S(セル2本)の場合は合計3本のコードが伸ばされている。プラス、マイナスと、直列させているコードから1本(センター)が引かれる。

バランス充電とは?

バランス端子を使って、セル電圧を1本ずつコンピュータで管理しながら充電する方法。リポバッテリーでは最も安全な充電方法であり、標準と考えたほうが良い。
バランス充電を行うには、リポのパックにバランス端子が用意されている必要がある。 バランス端子のコードは各セルに接続しており、それぞれの電圧状態が分かるようになっている。なお充電器により、下記の2種類がある。

・バランス端子だけ接続して、完全にセル毎に個別充電するタイプ・・・ET1製充電器
・出力用のコネクターケーブルで充電しながら、バランス端子で各セルを監視して、電圧が上がったセルをバランス端子経由で放電して調整するタイプ・・・ABCホビー製充電器など

過放電とは?

単セルの公称電圧は3.7Vだが、 満充電時の電圧は4.2Vになる。使用して放電すると電圧が降下していき、 各セルが3Vよりも下回ると過放電となる。過放電の状態では、バッテリーが風船のように膨らんでしまう。一度、過放電をしてしまっても、バッテリーは使えなくはないが、本来の性能が落ち、寿命は極端に短くなる。更に放電して、2.6Vまで電圧が降下すると電池機能そのものが消滅してしまう。
過放電を起こさないためには、コネクター間にセーフティデバイスを挟んだりする方法もあるが、電動ガンの回転が落ちてきたらすぐに使用をやめる、ということを徹底すれば、殆ど問題ないはずである。

過充電とは?

リポはセルあたり4.2Vという電圧の上限があり、この値を超えて充電すると、過充電となってバッテリーは壊れてしまう。4.2V以上になると内圧が上昇して過熱したり、極端な場合には熱暴走をおこして爆発的に反応が進む場合がある。過充電ではつまり、発火して燃えるという現象が起こる。
通常、リポ用の充電器は上限電圧に達した時点で充電をカットする仕組みになっているが、バッテリーパック全体の電圧を読み取る充電器の場合(ミニコネクターを接続するタイプの充電器)、セルバランスが崩れたものがあると危険である。
バランスが崩れたまま充電すると 過充電になってしまう。

充電時の注意と長期保管

充電器にリポバッテリーを接続する際の注意事項

絶対にニッケル水素充電器(モード)でリポを充電してはいけない。リポバッテリーの発火などの事故は、特にマルチチャージャーと呼ばれる、何バッテリーでも対応した充電器の誤った設定によるものが大半である。リポバッテリー専用のET1充電器を使えば何も設定は要らず、全自動で充電できるため充電による事故の心配は皆無といえる。

・充電する際は、2セルの場合は最高充電電圧を8.4Vに、3セルの場合は12.6V以内に設定し、電流値は1C以下にする。
・絶対にバッテリーに衝撃を与えたり、分解したり、ショートさせたり、火中に投じたりしない。
・バッテリーの膨らみや変形は、発火の原因となるため、バッテリーが変形している場合は、直ちに使用を中止する。
・電池温度が65度を超えた状態での使用は避ける。
・使用直後など、バッテリーが発熱した状態で充電しないこと。

温度管理

リポがもっとも性能を発揮できる温度は約40度~50度とされているが、実際にその温度下に置くと内部で気化して膨らんでしまったりする。また使用すれば若干発熱する。そのため、出来れば30度以下で使用するのが望ましい。なお70度付近になると自己発火の恐れがあるので、バッテリーを置く場所には注意しなければならない。

保管方法

リポは自己放電しにくいバッテリーだが、残量がカラに近いと、自己放電によって過放電となる可能性がある。また満充電で保管していると、保管場所の温度が上がった場合に、リポが活性化されて温度が上昇、それにより過充電となってしまう可能性がある。そのため保管時は50%以下の残量にしておくのが目安。
なお長期保管するときには、万が一に備えて電気を通さない容器(陶器やガラス瓶)と緩衝材を用意したほうが良い。電気を通さない容器はショートを防ぎ、緩衝材で物理的な破損を予防できる。その他、耐火性のリポ専用の保管袋もある。

リポバッテリーの寿命と廃棄方法

リポバッテリー は、連続放電能力内で使用したり、バランス充電をこまめに行えば寿命を縮めることはないが、100回以上充放電できれば十分長持ちしたといえる。また、充分な性能を発揮できる期間は携帯電話と同様で、1年~2年程度と考えたほうが良いだろう。

LIPOの寿命は外見では分からないため、セルメーター等で確認して、電圧バランスが崩れていたり、充電量がもともとの許容量に満たない場合はバッテリーの寿命である。メーターによっては極端にバランスが崩れていたり、過充電状態だとエラーメッセージと音で警告してくれるタイプもある。

廃棄処分方法

リポバッテリー は寿命が来て使えなくなった場合でも、わずかに蓄電しているため、捨てるときには完全に放電させる必要がある。完全に放電させるには、塩水に2日ほど漬けるなどの方法がある。(1Lにつき50gの食塩を溶かし、出力コネクターをカットして投入する。)
放電処置の後、燃えないゴミとして廃棄するが、自治体によって廃棄方法が異なったり、リサイクルできる場合もあるので、確認すること。

下記のような場合は即、廃棄したほうが良い
・外見が明らかに変化している(異常に膨らんでいる等)。
・アルミ被膜が裂けているなど物理的な破損がある。
・充電してもすぐバランスが崩れる。
・充電時に不具合が出る。

リポバッテリーは基本的に修理は出来ず、また特定のセルだけが不良の場合、再使用も不可能である。その場合は、新しい電池を購入するほかない。