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東京マルイ UZI SMG (vol.1) ~ 特異なメカニズム

2006/9/26 By: maxi カテゴリー: SMG/PDW


東京マルイ UZI 電動ガン
マルイ UZI (ウージー) SMG
スタンダード電動ガン

スペック
全長:470mm / 655mm
重量:2000g
装弾数:40発/220発
参考初速:85.2m/s – 0.2g (0.73J)

実銃の背景
イスラエルのウジール・ガル少佐が自国の防衛のために、1951年に開発したサブマシンガンが UZI SMG である。プレス加工を多用し、構造が単純で高い技術が無くても生産でき、簡単な訓練で使用できるといったコンセプトで開発され、信頼性の高い銃となっている。

電動ガンでは不人気?
東京マルイ 電動ガンシリーズ の中では、微妙に不人気商品といわれてしまうのが UZI SMG である。何より、アフターパーツが無く、メカのチューンナップやカスタムができないことが原因と言われるが、私はそうは思わない。箱出しで85.2m/sという初速が出て、30~40mでの安定した命中精度をもち、コンパクトで操作性もよく、非常に扱いやすい。ゲームウェポンとして優れた一挺であることに間違いはない。さらに、UZI ならではの玄人的チューンを施せば、実に信頼性の高いメインウェポンとしてゲームで活躍してくれるに違いない。

新品箱出しでノズルが破損済み
私は新品で本製品を入手する際に、マルイ製品にしては珍しく返品交換を経験した。箱出し時にノズルのパーツが破損していたことにより(スプリングを引っ掛ける部分、これによりノズルの動作がコントロールされる)、1発たりとも弾が出ない不具合品だったのである。比較的もろいプラスチックが使われているのか、ロットによる不具合なのか、はままたショップサイドの問題なのかは分からない。(ただし、返品交換後のUZIは2年経過しても一切不調は無い 2008.11)

特異な「バージョン5」メカボックス ~OHVエンジン的システム~
マルイ UZI のメカボックスは、他に比べると非常に特異な構造をしている。シリンダーの中をインナーバレルが貫通していて、ピストンを前向きに駆動するなど、普通では思いつかないような構造だ。しかし、やや複雑となってしまい、高回転化が難しいシステムとなっている。ハイサイクルで大火力を求めることは不可能な電動ガンなのである。

東京マルイ UZI SMG 電動ガン メカボックス

その構造は、自動車のエンジンでいうOHV(オーバーヘッドバルブ)システムに似ている。他のメカボックスは OHC(オーバーヘッドカム)型といっても良いかもしれない。OHVは古くからあるエンジンの形式で、カムをクランクシャフト側に置いて、下から長い棒(プッシュロッド)でバルブ開閉を行う機構である。部品点数が少なく構造が単純なため、軽量・コンパクトで整備しやすい。またエンジンの全高を抑え、重心を低く設計できるのが特徴で、高回転が苦手という側面をもつ。今でもアメ車やトラック等に多いのは、その車種の特徴が生かせるからであろう。(大排気量+トルク重視で高回転が不要+トラックではシート下に置かれるエンジンの全高を抑えられる)

UZI の バージョン5 メカボックス は、プッシュロッドを持つその「構造」とロッドの慣性によるもたつきから「高回転が苦手」という点でOHVエンジンに似ている。まずは見ての通り、その全高は他バージョンのどのメカボックスに比べても低い点。そして、回転を限界以上に上げていくと、ピストンを押すプッシュロッドの「戻りスピード」が、モーター及びセクターギヤの回転に追いつかなくなって、クラッシュしてしまうという点である。プッシュロッドはピストンを押したあと、弱めのリターンスプリングで押されて戻るが、高回転ではメタル製のプッシュロッド自体の重さによる慣性に、スプリングの弱さが負けてしまう。
このリターンスプリングを強化することで、高回転にも対応できる可能性はあるが、プラスチック製のフレームにダメージを与えうるため、機関部分の強度の総合的な見直しが必要となるだろう。プッシュロッドを軽量化するという方法も同様の効果が見込めるかもしれないが、残念ながらカスタムパーツとして出ていない。

そして「高回転」に関連する事では、マルイUZIには純正のニッカドバッテリー8.4V 600mA以外は使用できない、と説明書でも書かれていることからも、限界の低さが見て取れる。高電圧やラージバッテリーがだめだというのは、電力の増加による回転数のアップにシステム(メカボックス)が耐えられないということである。OHVエンジンと同様、プッシュロッドの存在がその原因となる。
しかし、多弾数発射および、長時間の使用を目的として、大容量のバッテリーを使う方法はある。

マルイ UZI ニッケル水素バッテリー

ニッケル水素バッテリーでスタミナアップ&回転下げのデチューン
さて、マルイ純正の600mA程度のバッテリーでは実質700~1000発、つまり多弾マガジンを3-5本も撃つとバッテリーが息絶えてしまい、ゲームではなんとも心もとい。
そこで、今主流となりつつある、ニッケル水素バッテリーを使用することで、ラージサイズの容量を確保しつつ、電圧を7.2Vに下げることでバランスをとるチューンが可能である。8.4V 1400mAhのNHバッテリーを 7.2Vにデチューンすれば、ノーマルAKニカド使用時の(700-850rpm、実質800rpm程度か) に対して、回転数は安全圏(650~700rpm程度)まで下がり、3000発以上の発射も可能となるというわけだ。方法は1セルを切り落としてコードをハンダ付けするだけである。またさらに、ヒューズを外して直結させるれば、やや回転数を取り戻すこともできるだろう。

ニッケル水素の電圧を下げると、セミオートのレスポンスはどうしても鈍くなってしまう。セミオート・オンリーで使用する場合には、8.4Vのままのほうがトリガー・タイムラグが少なくて良いので、両方持てばシチュエーションによって使い分けられる。ちなみに8.4V 1400mAhを使用すると、バースト撃ちで早くも給弾不良が発生したりする。回転はやはり速くなり、壊れそうな雰囲気があるなので、4バースト以上の連射は試していない。
電圧を下げる場合は、フルオートをメインで活用する場合に向いている。しかし、このデチューンで回転が下がるとはいえ、実際にゲームしてみて不利になった事はない。回転が遅めになるということは「無駄弾を減らせる」という利点があり、より「リアルな回転数」でUZIの撃ち味や撃ち方を楽しむことができると考えれば良い。
(※2010年、7.4Vのリポバッテリー登場によってレスポンスも大幅に改善した)

実銃においても UZI は、フルオートで600rpmと比較的低回転型に設定されているが、マルイ UZI も前述のバッテリー・デチューンにより、それに近い状態でいざ実戦投入してみると、なぜウジール少佐がこの回転数で設定したのかが分かってくるようで面白い。GUN誌10月号のDVDでも実証されているが、実銃のノーマル UZI の回転は遅めだが、フルオートでの優れた集弾性に驚かされる。しかしライトチューンで900rpmまで回転数を上げた カスタム UZI は15mでもかなり弾が散ってしまい、コントロールが難しくなっているのだ。このリアリティーを感じるのもまた楽しみといえる。ちなみに マルイ UZI は肩づけして撃つと確かなリコイルが感じられるのも面白い。これはピストンが後ろ向きに叩いていることよりも、前述の “OHV”プッシュロッドが戻ったときの反動が大きいと思われる。

実銃の UZI はオープンボルト+9mm弾ということが利点でもあり、欠点でもある。オープンボルトシステムの特徴は、WAのミニUZI を扱ってみると分かるが、重いボルトが前に走って激突してから発射するため、厳密な集弾性能は追及できない。また、扱い方もオープンボルトなりの慣れが要求される。だが、それだけで良し悪しを語るべきではないだろう。特にエアソフトガンでは、そういうことがなんら関係なく楽しめることは美点と考えたい。50年の歴史をもつ古い銃が、電動ガンともなれば他と対等に渡り合えるということが面白くもあるのだ。

→東京マルイ UZI SMG 次のレビュー記事(vol.2)

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