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電動ガン・ショットガン 有効射程テスト 第1弾

2007/4/28 By: maxi カテゴリー: トピック


有効射程テスト

エアーガンは微力な玩具ながらも、昔よりずいぶん高い精度と飛距離が出せるようになり、一体どれくらいの距離まで狙ってヒットできるのかは気になるところである。しかしメーカーによって解釈が異なり、標準化されていない部分でもある。
私が求めたいのは、ゲームで撃たれた側として一般的に着る服の上から当たった時、ヒットが認知できる「着弾音」や「威力」を維持している限界距離、といったところである。集弾性能はもとから期待していないので、人体大のターゲットに当たれば良しとしている。
そこで今回、自分なりに屋外ゲームの実戦に近い条件でシューティングテストを行ってみた。エアーガンは所詮玩具なので、初速も遅く、弾も軽いわけで、とくに遠距離での「命中精度」や「集弾性能」を追求するのは無理な話だと感じている。また、これといった標準値もなければテストの信頼性があるわけでも無いが、実際に狙って当たりやすい距離、限界距離というものはあり、テストにより多少なりとも各エアーガンのクセやポテンシャルがわかった気がする。

実戦的シューティングテストの計測条件と内容

【条件】
・場所:屋外,人のいない河川敷
・天候:晴れ,約23℃、右斜め前からの弱風あり(=逆風)
・0.2gバイオ弾(エクセル製)
・機関部はすべてノーマル

【内容】
1:初速の計測
2:着弾時にターゲット(ダンボール)から充分な着弾音が聞こえ、多少跡をつける程度の威力が残っている距離(=ヒット認識可能)を測る。

【方法】
・射撃位置から実測40m地点に40x80cmの的(ダンボール箱)を縦長に置いてセミオート射撃を行う
・射撃位置を前後に5~10m移動して距離を調整
・シッティングポジション(座撃ち)で射撃、ガンの固定無しで、概ね地面と平行に射撃
・アイアンサイトでちゃんとターゲットを捕捉して射撃(弾道を見て射角を調整しない)
・ホップはほんの少しだけ浮き上がって落ちる位置に設定
・最後に0.2gフルオートでもテスト/差異確認のため0.25g弾もテスト

−結果−

※ヒット率マーク ☆=約100% ◎=約80% ○=約50% △=約30% ×=約10%以下
———————————————
共通の結果
> 40mまでの到達時間はどれも約1.0秒(ストップウォッチで計測)
> 照準で上目を狙えば距離が伸びる(ヒット率約10%→30%程度まで上がる)
> ホップを強めると距離が伸びる(しかし着弾位置は読めなくなる)
> 追い風ならもう少し距離が伸びる
> 0.25g弾を使うとヒット率が上がる
> フルオートだとヒット率が上がる
———————————————

M733 有効射程テスト
東京マルイ コルトM733コマンド 初速:91m/s
35m☆−40m◎−45m△−50m×
※チューニング…S-systemのチャンバー装着、BigOutのHホップ
※インプレ…使用しているとHOPダイヤルが緩んだ(調整ダイヤルのタッピングネジを締めれば改善)。トリガーが最も引きやすい。弾道は一度上方に見えなくなってから着弾する傾向があった(=ホップが強めだったのかもしれない)。

P90 有効射程テスト
東京マルイP90 初速:89m/s
COLD時35m☆-40m◎-45m○-50m×
HOT 時35m◎−40m○−45m△−50m×
※アイアンサイト(緊急用)を使用
※インプレ…本体が冷えているときと(太陽熱で)熱くなったときで調子が変わった(パッキンの硬度変化?orグリスの軟化?)。遠くまで飛んでも散る。何となく風に弱い印象。メカ動作音が静か。トリガーがスライドするのでプルが重め。

famas 有効射程テスト
東京マルイFA-MAS 初速:79m/s
35m☆−40m◎−45m△−50m×
※インプレ…回転速度が速い。サイトが少々狙いにくい。トリガーは軽いがレスポンスはもう一歩。

HK33A2 有効射程テスト
KSC HK33A2 初速:85m/s
35m☆−40m◎−45m○−50m△
※チューニング…PDI-05インナーバレル装着
※インプレ…今回のテストでは最も遠くまで安定。マルイM14と同等の感。弾道が比較的フラット。トリガープルが固いため、連射すると指がくたびれる。フルメタルボディ+バイポッドが結構重い。

CA870 有効射程テスト
マルゼン CA870 初速:90m/s
35m☆−40m◎−45m○−50m×
※チューニング…フロントサイト、くらげホップ+あたりめバレル装着
※インプレ…コッキングのため連射すると狙いがずれる。弾道がかなりフラット。

以上のような結果となった。
今回はあくまで参考値の抽出であり、ヒット率の高い距離としては40mが境といった印象である。また助手にも撃ってもらい、着弾地点の様子も確認できた。風がなければさらに遠くへ、とも思うが無風などありえない屋外ゲームなら、これが妥当な数字といえよう。そしてゲーム上、40〜50mもの遠距離ではフルオートでばら撒いてヒット率を高めるという手法になってくる。だいたいどの銃でも少し上目を狙ってフルオートで30発も撃てば、50mの距離で1発以上はあたるので、あとはどれだけ無駄弾を浪費してしまうか、という問題になってくるのかもしれない。ただ、遠距離での撃ち合いは、サバイバルゲームの醍醐味を捨てているようなものなので、お勧めはしない。

※ △=ゲーム上で合致しない(毎回変わってしまう)不安定要素
■設定 ————————————————
△ 使用するBB弾の種類
△ エアーガン個体の差
△ ホップは標準アイアンサイトで狙って的に当たる最大距離に設定→狙う位置や、ホップの強さで着弾位置が変わる
△ 平坦な場所で実施→高低差があると変わる

■テスト計測の不安定要素とゲーム時のずれ
− 無風ではない屋外であること→結果に影響。日時や方向により変わる
− 多少慣れた素人が構えて撃っている点→人により異なる
− 着弾時点の弾速の低下(感覚的に30m/s程度)→着弾したとき敵は逃げている
− 相手が動体ではない→着弾したとき敵はいない
− お互いに遮蔽物がないこと→テストの標的が大きすぎる
+ ルールにもよるが実際のゲームでは多弾数をばら撒ける
+ 上目を狙えばもう少し飛ぶ

電動ガン インナーバレル比較

2006/12/25 By: maxi カテゴリー: メンテナンス


電動ガン インナーバレル比較表
電動ガン インナーバレル長 比較表
ここでは電動ガンのノーマル インナーバレル長の一覧を記している。
経験的には何となく、インナーバレルが長め(450~500mm)のほうが、初速のバラつきが少なく、安定した飛距離や素直な弾道を得られる傾向があるように感じる。またシリンダー途中に穴のあいた「加速シリンダー」よりも、「フルサイズ」シリンダーのほうが、安定して長距離射程が得意な気がする。ただしこれらは、精密に測定するすべが無く、あくまで気がするだけであることを、ご了承いただきたい。

実際の射撃では、「さまざまな条件」が組み合わさって結果が出るため、どれが一番良いと決められるものではない。条件とは、「銃の構えやすさ」「銃全体の剛性」「インナーバレルの保持剛性」バレル内での「加速効率」「加速時間」、「BB弾のサイズと精度」、「ピストンリング精度」「接続部の気密性」「ホップシステムの構造」「風」「照準0発射までの時間」・・・・などなど挙げればきりが無い。

COLT-M16系 インナーバレル長 H&K系 インナーバレル長
M733 300mm MP5K 110mm
M4A1 364mm G3SAS  208mm
M16A1 510mm MP5 227mm
M16A2 510mm MC51 285mm
M14   G36C 247mm
M14SOCOM 440mm G36K (次世代) 300mm
M14 ウッドストック/ OD 500mm G3SG1 470mm
PSG1 589mm
AK系   SMG系/その他  
AK47 βスペツナズ 230mm SIG552 247mm
AK47 455mm 89式 433mm
AKS74U (次世代) 260mm FAMAS 488mm
AK102 (次世代) 360mm ステアー AUG 510mm
AK74MN (次世代) 460mm UZI 244mm
KSC製品群 P90 247mm
HK33K 390mm M1A1トンプソン 300mm
HK33A2/A3 440mm MP7A1 182mm
    MAC10 135mm
    スコーピオンVz61 127mm

テクニカルデータ
東京マルイ 純正インナーバレル内径
6.08mm

●シリンダー容量
フルサイズシリンダー:約27CC
加速シリンダー ホール有(後方寄り):約17CC

電動ガンのバレルシリンダーバランス表

シリンダー有効長
:容量 (内径23.5mm)
比率適した
バレル容積
適したバレル長
(内径6.08mm)
フル 62mm
:26-27cc
2:1
2.5:1
13cc
10.4cc
448mm
358mm
リアHOLE 39mm
:16-17cc
2:1
2.5:1
8.5cc
6.8cc
292mm
234mm
ハーフHOLE 26mm
:11-13cc
2:1
2.5:1
6.0cc
4.8cc
206mm
165mm
フロントHOLE 2:1
2.5:1

●電動ガン パーツリスト(海外サイト)

症状から診る電動ガンの故障原因

2006/10/02 By: maxi カテゴリー: メンテナンス


電動ガン メンテナンス方法

←前回のレビュー記事 電動ガンの基本メンテナンスシム調整のコツ

症状からみる電動ガンの故障原因

電動ガンは、電気と機械の融合した精密なメカニズムになっている。
分解やカスタムした時はもちろん、何もいじらなくても使っていると動作しなくなってしまうことがあるが、原因を追究して適切な処置を行えば、必ずまた元気に動いてくれるはずだ。ここでは、原因追求のとっかかりをまとめた。

東京マルイ製 電動ガンに関して まず覚えておくべきこと

東京マルイのエアガン(電動ガンに限らず、ガスガン、エアーコッキングも同様)を使用して、弾が出ない、マガジンの上がりが悪い、といったことをよく聞く。そんなとき、何よりもまず最初にチェックすべきことがある。

1. 東京マルイ製のBB弾を使っているかどうか
BB弾は、何でも良いというものではない。電動ガンは精密機械であり、特にBB弾やパッキン、バレル周辺はデリケートなものだ。東京マルイのエアガンには、東京マルイのBB弾がベストマッチするよう設計されており、その組み合わせで使っている限り、不具合を経験することは殆どないはずだ。BB弾は、各メーカーによって微妙なサイズ違いや、表面処理(ツルツル度合い)の違いがあり、不具合を起こすのはたいてい他社製のBB弾である。多弾マガジンやダブルカラムマガジンを使用した時に、違いが顕著に現れるので、今一度注意してみてほしい。

2. インナーバレルを掃除しているかどうか
弾道が安定せず散るようになった、当たらなくなったという事例もよく耳にする。しかし、中をみてみると、単純にインナーバレルが汚れていることが多い。土ぼこりや、BB弾の擦れカス、シリンダー内のグリスが侵入しているなど、使っているとインナーバレルには様々な汚れが付着する。取扱説明書にも書かれているとおり、定期的にメンテナンスを行う必要がある。

発射機構編

【1】トリガーを引いてもモーターが動かない、通電していない
→電気系統の故障
完全なバッテリー切れ、ヒューズ切れ、ケーブルやコネクターの外れ・断線

【2】モーターは動くが異音を発して空回りする、ピストンが動いていない(打撃音がしない)
→機械部の故障
モーターピニオンギヤのクリアランス不適切、モーター固定部のグラつき、メカボックス内の ギアクラッシュ(歯欠け)、ピストンクラッシュ

【3】ピストンの打撃音はするが、BB弾が出ない
→給弾機構の故障
マガジンの弾上がり不良、タペットプレートの破損

【4】弾詰まりが頻発する
→バレルの問題 インナーバレルの汚れ、異物、キズなど
→チャンバー/パッキンの問題 ホップアップシステムの故障、ラバーパッキンの変形・破損。

連射マガジン編

多弾連射マガジンには、ゼンマイや多数のギヤが使用されており、動作不良や弾詰まりなど、不調となることも少なくない。よくある故障事例として下記が挙げられる。

↓マルイG36Cの430連射マガジン。分解は六角レンチ一本でカンタンに出来る。その他、SMGや次世代AK74などは、マガジン側面で貫通ピンにより留められている。
電動ガン 多弾マガジン 故障事例

【症状1】 ゼンマイは巻けるが、弾が上がってこない
【原因例】
1. 弾送りギア(※)にBB弾が2発挟まっている(※弾を送り出す水車のようなパーツ)
→解決方法
マイナスドライバーなどで水車パーツを少し逆転させて、挟まっているBB弾を抜く。
1の要因として、マルイ製以外のBB弾を使うと発生することがある。サードパーティ・メーカーの弾はおおむね、マルイ弾より小さく作られているためだ。表面処理の違いもあるため、一度マルイ純正弾を試してみたほうが良い。

2. ホッチキスの針などの異物が侵入して詰まっている。

→解決方法: 給弾口から見える場合はピンセットなどで取り出す。見えなければ、多弾マガジンを分解して調査、除去する。
→原因例: BB弾の袋がホッチキスで留められているものがあり、給弾時に侵入した可能性がある。この事象は意外に多い。

【症状2】ゼンマイが巻けない/ ゼンマイが空回りする
【原因例】

1. ギヤ部分に異物が混入している
→解決方法: マガジンを分解して調査、除去する。

2. カウンターギアが外れている
→解決方法: マガジンを分解して再度取り付ける。
→原因例: 多弾マガジンの中間ギアは、ただの圧入ピンで固定されているため、衝撃によりギヤごと抜け、詰まる場合がある。

電動ガン 多弾連射マガジン 故障事例

↓矢印の部分の圧入ピンで留められているのがカウンターギア。片側から差し込まれているだけなので、外れることもままある。マガジンは、異常を感じたらムリに動かさず、分解して確認したほうがよい。
電動ガン 多弾マガジン 故障事例

【その他の症状】
1. 全弾がきれいに発射されない、弾の発射がまばらになる

原因例: ハイサイクル化や、リポバッテリーの使用などで、ノーマルより大幅に発射回転数が上がっていないだろうか。MAC10やMP7などをリポ化すると、多弾マガジンの弾の送出が追いつかないことがある。細長いマガジンは高回転が苦手な傾向がある。
解決策: 回転数を落とすか、ノーマルマガジンを使用する。