ASG CZ75D コンパクト 固定スライド ガスガン (vol.2) ~ 分解検証編
ASG(デンマーク) CZ75D コンパクト
固定スライド ガスガン
スペック
全長:185mm
重量:582g
装弾数:15発
参考初速:57.6m/s (0.33J) ※12/26計測/マルイベアリング0.2g
輸入元:Mトレーディング
・可変ホップアップシステム
・シングル・ダブルアクション
・ラバーグリップ/マガジンバンパー装備
・台湾製
←ASG CZ75D コンパクト 固定スライドガスガン 前回のレビュー記事 (vol.1)
分解~単純な構造
フィールドテストでは、弾道のバラつきや、2発給弾が気になったので、早速分解してみることにした。
スライド後端にあるプラスネジを外すと、スライドが前方に引き抜ける。
そういえば撃ったときの「パイーン」というバネの共振音が気になっていた。どうやら音源はリコイルスプリングのようだ。リコイルスプリングは、径の狭いほうが後方に向いて組まれているが、それを逆にするとバネの共振音がほぼ無くなった。(赤い枠で囲った向き) 向きを入替えたところで、スライドの動作(手動)にも問題はなさそうだ。
▼単純な構造がうかがい知れる構成図。
驚いたのは、インナーバレルもチャンバーも一切動作しないことである。いや、チャンバーと呼べるものが見あたらない。このままハンマーだけがピコピコ動くので、当然トリガープルも軽かったわけだ。
固定スライドガスガンは一般的に、インナーバレルと一体化したチャンバーが後ろに引き寄せられて給弾し、気密を保持した状態で発射されるが、CZ75Dにはそれが無かった。つまり非常に単純かつ「適当」な構造になっているということになる。
その意味するところ、下記のとおりだ。
・弾は、マガジンからいきなり飛び出す。
・発射時のガスはマガジンの、弾が並んでいる下方向にも抜けてしまう。
・マガジンとの接触部分にあるざっくりした気密パッキン、テーパーのかかったインナーバレル・フィードランプからして、相当なギャップを越えた上でのつまずきホップ仕様。
・恐らく、ガス圧が高いと発射の負圧で次弾がバレルに吸い込まれ、次は2発発射に。
・・・ということになる。そのすべてが、弾道が不安定となる要因であろう。
残念ながらこれは現行のマルシンやタナカのリボルバー、あるいはかつてのMGCよりもレベルの低い仕組みである。リボルバーのほうがまだ気密がとれているし、MGCもインナーバレル&チャンバーが後退することでローディングという概念があったのだが、それが一切無い。
▼タナカのペガサスリボルバーのようなテーパード・インナーバレル。
ガス圧でマガジンから跳ね飛ばされたBB弾は、このギャップを越えてホップアップパッキンにぶち当たり、飛んでいく。
リボルバーよりも命中精度の期待できない(?)オートマチックガスガン
さて・・・どれほど皆さんのやる気は失われただろうか?
高性能なエアガンが当たり前の今、逆にこういう至らないエアガンを見ると俄然チューニングする気が出てきてしまう方もいるかもしれない。私も、こんなダメ息子であっても、ハイ残念さようなら、ということにはならなそうだ。
このCZ75Dコンパクトは、軽くて携行しやすく、撃ちやすい。さらには燃費が良いというメリットがある。何とか20m程度までは飛ばして当てられるパワーもあるので、いかにして安定させるかというチューニングを考えるのも一興だ。インドア戦のバックアップウェポンとして、あるいはいかに低火力で生き残れるかという「チャレンジガン」として使ってみたくなってしまう。活用できるフィールドは限られるが、こういった低性能のトイガンでサバゲーをする時は、頭と足をフル活用できて面白いものだと思う。
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