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SIIS H&K USP 固定スライド ガスガン ~ コストパフォーマンスに優れた一挺

2011/10/10 By: maxi カテゴリー: ハンドガン


S2S USP 固定スライドガスガン
S2S H&K USP 9mm
固定スライド ガスガン

スペック
全長:198mm
重量:780g
装弾数:26発
初速:82.0m/s (0.67J/ 10月計測)
メーカー希望小売価格:4800円
2011年10月発売

入門からベテランまでカバーするガスハンドガン
エスツーエスから固定スライドガスガンの「 USP 」が登場した。9mmx19タイプをモデルアップしており、固定スライドということで、可動部はハンマーのみになっている。撃つ楽しさはブローバックモデルにかなわないが、その性能や信頼性は実用派をも唸らせるエアガンである。また初心者にとっても、安価で手に入れやすい商品であることがポイントである。この価格でも、非常に安定した連射が可能となっているので、ゲームユースにおいて、特に冬場の季節のサブウェポンに最適といっても過言ではない。

S2S USP 固定スライド ガスガン

固定スライドガスガン「USP」の魅力
固定スライドガスガンは地味な存在だが、昔から変わらない「魅力」があるのも確かだ。そのいくつかをUSPと合わせて紹介しておきたい。

魅力その1:値段以上のパフォーマンス
わずか4000円程度でも、他のエアガンに負けないパフォーマンスを発揮する。

魅力その2:発射音の小ささ
発射音の小ささはエアガンの中でもトップクラス。サイレンサー無しでも静か。

魅力その3:ライブハンマー
撃つ瞬間のトリガーのキレが、シングル・ダブルアクション共に良い。ダブルアクション時のトリガーは当然重いが、固定スライドの中では軽いほうである。

魅力その4:燃費が良い、且つ季節を問わない
固定スライドガスガンでは共通するメリット。

今では、電動ハンドガンという便利なものも存在するが、トリガー=スイッチであり、どうしても撃っている感覚に欠けてしまう。ガスガンであれば、独特の発射音やハンマーのシアを切る感触が得られるので、まだ銃らしいといえる。固定スライドガスガンは、東京マルイのソーコムMk23にも代表されるが、バカスカ撃つよりも数発で隠密的に仕留めるのに向いているため、ゲームでは玄人っぽい使い方にはなるだろう。構造も単純で、故障が少なく、電動ハンドガンやエアコキハンドガンに比べても信頼性が高いといっても良い。

▼S2S USP のパッケージ。敷き布は、運搬用の巾着袋として使えるようになっており、初心者に配慮した内容だ。
S2S USP 固定スライド ガスガン

▼実はこのUSPは、アンダーレイルが20mm仕様となっている。そのため、一般的なライティングデバイスなどが、そのまま装着できるという美点がある。夜戦などにもってこいの銃だ。
S2S USP 固定スライド ガスガン

▼可変ホップアップの調整は、チャンバー上の穴から六角レンチを挿して行う。30mでの狙撃に成功するなど、なかなかの安定性を見せる。
S2S USP 固定スライド ガスガン

最高のコストパフォーマンス
S2S USPは、元は海外のCo2ガスガンを流用したと思われるが、実売4000円程度にも関わらず、外観の再現性、重量、質感、実射性能は非常に高い。初速も安定していて、連射しやすいのが特長で、値段以上の出来である。いざ困った時に助けてくれる、信頼性の高いエアガンであると思う。

トリガーの切れと発射音が良質。
シングルアクション時には、ハンマーが非常に軽く落ち、ダブルアクション時はやや早めにハンマーが落ちる(トリガーが切れる)セッティングのため、連射がしやすい。トリガーの切れ味も良く、電動ハンドガンに比べて「撃っている」感じがする。
また、この USP の発射音は「バスッ」と低めで、サイレンサーなしでも発射位置が確認しづらいものとなっている。東京マルイ ソーコムMk23 では、サプレッサーなしの状態だと破裂音がするが、SIIS の USP は、素の状態でも全くもって静かだ。

▼マガジンのバルブに連結したハンマーピンが後方から覗く。
S2S USP 固定スライドガスガン

▼コックアンドロックでセフティのかかった状態。USPの特徴である、コルトガバメントの操作性を伺わせる部分だ。ブラックホークのCQCホルスターにもきれいに収まるリアルサイズとなっている。
S2S USP 固定スライドガスガン

燃費と命中精度も優れる。
本体はH&K USP の9mmモデルを再現しているが、マガジンは45口径サイズの、東京マルイ ソーコムMk23 と同じ大きさ。大容量のガスが入り、再チャージなしで100発以上は撃てる。
弾道は非常に安定しており、実際にゲームで使ってみたところ、約30mで狙って一発でヒットをとることもできた。また、約20m地点から500mlペットボトルの狙撃にも成功。東京マルイ ソーコム に匹敵する固定スライドガスガンが登場したと言っても良いと思う。

▼ソーコムMk23用(左側)と同じサイズのUSP用マガジン。恐らく元がCo2ガス仕様ということもあり、この大きさなのだろう。このメリットは大きい。
S2S USP 固定スライド ガスガン

直径14cmのソフト粘着ターゲットが付属する。
S2S USP 固定スライド ガスガン 付属ターゲット

ワンポイント
個体により、後退したインナーバレルの戻りが悪いものがある。バレルが戻ってくれないと、初弾発射後に次弾が給弾できないという問題が発生する。
その場合はチャンバーのホップ調整穴からシリコンオイルを挿し、マズルからボールペンなどでバレルを押し付けて後退させ、動作にアタリをつけてやると良い。

S2S USPは、冬場のゲームウェポンの選択肢として、また緊急時のバックアップとして非常にお勧めできる一挺である。是非試してみていただきたい。

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東京マルイ SOCOM Mk.23 (vol.2) 〜トリガープルを改善するカスタム方法例

2011/2/10 By: maxi カテゴリー: ハンドガン


東京マルイ ソーコムMk23 固定スライドガスガン
マルイ H&K SOCOM-Mk.23
固定スライドガスガン

スペック
全長:245mm
重量:850g
装弾数:28+1発
参考初速:88.8m/s(0.788J)

←東京マルイ SOCOM Mk.23 固定スライドガスガン 前回のレビュー記事 (vol.1)

冬のシーズンに大活躍するハンドガンの一つに、東京マルイ 固定スライドガスガン SOCOM Mk.23 が挙げられるが、ノーマルの状態ではトリガープルが重いのが難点だ。特に「最後の切れ」が重すぎて手がブレてしまうため、せっかくの高い命中精度がもったいない事になっている。
そういった場合は、一度分解してパーツの動きを良く観察してみれば、どうすれば改善できるかが分かるのだが、この機会に掲載しておきたいと思う。方法はこれ一つでは無いと思うが、大して工数もかからないので、気になっている方はチャレンジしてみてほしい。

東京マルイ SOCOM Mk23 トリガープル 改善

図解してしまうとこれで終わってしまうが、トリガーの切れが重すぎる原因は、ハンマーの「ダブルアクション用のツメ」の形状にある。その形により、必要以上にハンマーを起こしているとみることができる。具体的には、
・ダブルアクション時に、トリガーバーとハンマーの接続が切れるのが遅い
・シングルアクション時であっても、トリガーを引くとさらにハンマーを起こそうとする
といった現象が起こっており、結果トリガーは重くなっている。

そのため、トリガーバーとハンマーの接続をもっと早く切れるようにすれば良いということになる。加工に際して使用する道具は、小さな平ヤスリ1本で良い。これによりトリガープルは軽くなり、ハンマーもストンと気持ちよく落ちるように改善されるはずだ。ただし、若干初速が落ちる可能性はある。
しかし、何にせよカスタマイズの際は、純正でなぜこのような仕様になっているかも考えておかなくてはならない。そもそもこの設計ではパーツに無理がかかっているような気もするが、あえてこうしたのだとすれば、例えば本物の軍用銃と同じように、わざとトリガープルを重くして、安全性を高めているのではないかというのが1点。そのほかにも、ハンマーを最大限に起こし、インパクトを一定にして射撃性能を安定させるため、さらには、磨耗する部分であるため耐久性を持たせているなどの理由が考えられる。

ハンマーの加工カスタムにより、これらの理由をいくらか削ることになるかもしれない。つまり「安全性」「ハンマーインパクト(安定性)」「耐久性」がノーマルより低下するということである。とはいうもの、トリガーに無理な力をかけずに済むようになるため、耐久性の伸びる部分もある。実際の使用上も何も問題はないし、最初からこれで良いのに、何故だろうかと思ってしまう所である。

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ASG CZ75D コンパクト 固定スライド ガスガン (vol.2) ~ 分解検証編

2011/1/04 By: maxi カテゴリー: ハンドガン


ASG CZ75D コンパクト ガスガン
ASG(デンマーク) CZ75D コンパクト
固定スライド ガスガン

スペック
全長:185mm
重量:582g
装弾数:15発
参考初速:57.6m/s (0.33J) ※12/26計測/マルイベアリング0.2g
輸入元:Mトレーディング
・可変ホップアップシステム
・シングル・ダブルアクション
・ラバーグリップ/マガジンバンパー装備
・台湾製

←ASG CZ75D コンパクト 固定スライドガスガン 前回のレビュー記事 (vol.1)

分解~単純な構造
フィールドテストでは、弾道のバラつきや、2発給弾が気になったので、早速分解してみることにした。

ASG CZ75D コンパクト ガスガン 分解

スライド後端にあるプラスネジを外すと、スライドが前方に引き抜ける。
そういえば撃ったときの「パイーン」というバネの共振音が気になっていた。どうやら音源はリコイルスプリングのようだ。リコイルスプリングは、径の狭いほうが後方に向いて組まれているが、それを逆にするとバネの共振音がほぼ無くなった。(赤い枠で囲った向き) 向きを入替えたところで、スライドの動作(手動)にも問題はなさそうだ。

▼単純な構造がうかがい知れる構成図。
驚いたのは、インナーバレルもチャンバーも一切動作しないことである。いや、チャンバーと呼べるものが見あたらない。このままハンマーだけがピコピコ動くので、当然トリガープルも軽かったわけだ。
ASG CZ75D コンパクト ガスガン 分解

固定スライドガスガンは一般的に、インナーバレルと一体化したチャンバーが後ろに引き寄せられて給弾し、気密を保持した状態で発射されるが、CZ75Dにはそれが無かった。つまり非常に単純かつ「適当」な構造になっているということになる。
その意味するところ、下記のとおりだ。
・弾は、マガジンからいきなり飛び出す。
・発射時のガスはマガジンの、弾が並んでいる下方向にも抜けてしまう。
・マガジンとの接触部分にあるざっくりした気密パッキン、テーパーのかかったインナーバレル・フィードランプからして、相当なギャップを越えた上でのつまずきホップ仕様。
・恐らく、ガス圧が高いと発射の負圧で次弾がバレルに吸い込まれ、次は2発発射に。
・・・ということになる。そのすべてが、弾道が不安定となる要因であろう。
残念ながらこれは現行のマルシンやタナカのリボルバー、あるいはかつてのMGCよりもレベルの低い仕組みである。リボルバーのほうがまだ気密がとれているし、MGCもインナーバレル&チャンバーが後退することでローディングという概念があったのだが、それが一切無い。

ASG CZ75D コンパクト ガスガン 分解

▼タナカのペガサスリボルバーのようなテーパード・インナーバレル。
ガス圧でマガジンから跳ね飛ばされたBB弾は、このギャップを越えてホップアップパッキンにぶち当たり、飛んでいく。
ASG CZ75D コンパクト ガスガン チャンバー

リボルバーよりも命中精度の期待できない(?)オートマチックガスガン
さて・・・どれほど皆さんのやる気は失われただろうか?
高性能なエアガンが当たり前の今、逆にこういう至らないエアガンを見ると俄然チューニングする気が出てきてしまう方もいるかもしれない。私も、こんなダメ息子であっても、ハイ残念さようなら、ということにはならなそうだ。
このCZ75Dコンパクトは、軽くて携行しやすく、撃ちやすい。さらには燃費が良いというメリットがある。何とか20m程度までは飛ばして当てられるパワーもあるので、いかにして安定させるかというチューニングを考えるのも一興だ。インドア戦のバックアップウェポンとして、あるいはいかに低火力で生き残れるかという「チャレンジガン」として使ってみたくなってしまう。活用できるフィールドは限られるが、こういった低性能のトイガンでサバゲーをする時は、頭と足をフル活用できて面白いものだと思う。

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