東京マルイ VSR-10 プロスナイパー (vol.1) ~ 絶対の信頼をおけるスナイパーライフル
東京マルイ VSR-10 プロスナイパー
ボルトアクションライフル
スペック
全長:1075mm
重量:1995g
装弾数:30発
参考初速:90.5m/s(0.82J)
箱出し完成度 No.1 の ボルトアクションライフル
現在販売されているボルトアクションエアーガンのなかで、最もコストパフォーマンスに優れているのは、やはり東京マルイ VSR-10シリーズであろう。
その昔、サンプロジェクトの M40A1 を所有していたが、それも悪くはない出来だった。難点は、まず値段の高さと、硬いトリガー、固定ホップアップで、自分で調整しないとちゃんと飛ばなかったと記憶している。そういった頃からみれば、何とも幸せな時代になったものだ。
装備品
・ナカヤ M40A1タイプ 木製ストック
・SIIS(エスツーエス) コンパクトライフルスコープ(3-9×40)
・MOJJI スコープマウントリング(6mm)
東京マルイ製品の安定感にあらためて感心
VSR-10 は、何よりノーマルでの性能、有効射程、集弾性能 がボルトアクションライフル中トップといっても過言ではない。サバイバルゲーム をするにも、シューティング をして遊ぶにも楽しい事この上ない。シューティング では、スコープで狙った十字の真ん中にバシッと穴が空くのはとても快感で、1日中やっていても飽きないほどだ。音が静かなので、部屋や自宅廊下などで遊んでもうるさがられないと思う。実はそんなエアーガンは少ないので、時々家で シューティング だけして遊ぶ、という方にもお薦めできる。
楽しいのは サバイバルゲーム でも同じ事で、単発ではあるが 遠距離での 集弾安定性は 電動ガン M14よりも上等な位なので、一味違った戦略を立てて遊ぶことができる。VSR-10 の、発射音がしない特性を生かして、隠密行動をしてみたい所である。
また、狙撃ターゲットありきのゲーム、例えば缶フラッグ戦や、PETボトル攻防戦などを行うと、その面白さが分かるだろう。射程ギリギリの遠距離からヒット(フラッグゲット)するのは快感で、スナイパーの醍醐味が堪能できるに違いない。
ところで、VSR-10 の外観については、リーズナブルな価格もあって “80点”と言わざるを得ない。いつものことながら、東京マルイ製エアソフトガンは、トヨタ車と同様に、チープな素材であってもチープに見せない「表面加工処理技術」のなす業に似た印象を受ける。しかしそのおかげで、非常にリーズナブルな価格で、ある程度高級に見えるものを手にできるのだから文句は言うまい。VSR-10 は全体的に、アフターパーツも豊富なので、良しとしておこう。
VSR-10 三種類のバリエーション
今回取り上げたのは「VSR-10 プロスナイパー バージョン」であり、東京マルイではゲーム向けのモデルと位置づけている。特長としては、ピストンの先端、ノズルと接する部分をニードル形状にしてエアブレーキをかけることで、発射音を抑えている部分にある。サイレンサー無しでもほとんど音がしないという、ある意味恐ろしいウェポンだ。
逆に「リアルショックバージョン」は、反動を生むようにセッティングされており、射手側を楽しませてくれる。印象としては、カツン!というハードな反動で、これもまた撃っていると楽しいものだ。しかし、プロスナイパーにもリコイルショックがあって、たとえば床に立てて空撃ちすると本体が跳ね上がる。若干ソフトな反動が起こっていて、撃った感触が楽しめるようになっている。
なお「リアルショックバージョン」にサイレンサーをつけると、VSR-10 の中では最も静かな発射音になるはずで、今回の購入時は「Gスペック」と比較して悩んだが、結局はそのレミントンライクなデザインを優先して「プロスナイパー バージョン」に決定した。下記には今回私の悩んだ部分を記しておきたい。
【VSR-10 Gスペック購入時のメリットとデメリット】
○ 小物パーツが最初から備え付けられている(ベース+サイレンサー+スイベル)
△ 大型のボルトハンドル形状はノッペリして気に入らないが、起こす角度が60度程度(水平位置)と、ストロークが短いのは良い。
△ 太くてストレートなアウターバレルは”スマート”ではない。950mmと短くて良いが、サイレンサーをつけると今度は長い。(全長1135mm)
△ チャンバーとインナーバレル(真鍮)が上級(だが現ロットではプロスナイパーもブラックチャンバーと同じ仕様になったという話がある。バレル横の打刻 700017 で下2ケタ10番台の数字になっていれば適用されているという噂、初期型は1ケタ)
× Gスペックに対応しない木製ストック(社外)がある。
△ ロングトリガーは引き角が適正化されていて引き心地が良いが、無くても大きな問題ではない。
【VSR-10 プロスナイパー 購入時のメリットとデメリット】
○ 元々、発射音が静かな仕様である。(+サイレンサーで追加効果が期待)
△ 小物パーツが別売り (だがマウントベース+サイレンサーアダプタ+スイベルを一緒に買ってもこちらのほうが安い)
△ アルミ製のインナーバレル
○ レミントンM700タイプの、リアルなボルト形状。
○ テーパーのかかったスマートなアウターバレルデザイン。
結局のところ、性能や価格が大きく変わるわけではなく、デザインが最も違う所なので、好みのカタチを選ぶのが良いと考えた。実際にゲームで使用すると、VSR-10 Gスペック はサイレンサーの整流効果なのか、真鍮バレルのおかげなのか、はたまた短バレルとポンプの組み合わせが良いのか、プロスナイパーよりも若干、弾道安定性が高い気がするが、それ一つが大きく戦局を揺るがすものではない。各チューニングパーツも出ており、不満があればチューニングできるのである。
ボルトアクションライフルは、何かしら電動ガンより深い味、面白さがあるので、一度は試していただきたいジャンルである。
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ナカヤ M40A1タイプ 木製ストックへの換装
スナイパーライフル には何故か 木製ストック のような重厚感を求めてしまう。トイガンの世界では、スナイパーというのはロマンなので、実用性以外のものも欲しくなってしまうのかもしれない。VSR-10 のノーマルプラストックは、ゲームで少し使うと、擦れる部分がテカッたりして、急激に安っぽさが露呈してしまうという問題も動機のひとつだ。
木製ストック は各社から発売されているが、まずはやはり、リーズナブルな所から手をつけたくなる。ゲーム仕様前提のため、あまりに美しいストックではキズや汚れが気になってしまうのだ。そこで選んだのが、ナカヤ M40A1 タイプ 木製ストック である。これは、やや黒味がかった渋めの表面処理が施された、ブナ製 の ストックとなっている。工作精度はなかなか高く、一切の加工や調整なしで取り付けることができる。グリップ部分もかなり細身で握りやすく、フィット感は抜群である。スリング・スイベルの取り付け穴は無いので、付ける場合は4.5mmの穴を空けると丁度良い。他にも選択肢はあり、もう少し明るめの色が良ければ、大友商会の取り扱っている木製ストックを選択するのも良いだろう。ただし、そちらは加工・調整が必要になるという情報を得ている。高級なものを求めるなら、CAWやM&Rのストックという選択肢もある。
木製ストック の再仕上げ
木製ストック の色は、基本的には表面処理であり自分で好きなように変えることも可能なので、研究してみるのも面白い。
上記の写真を見ていただくと分かるが、このストックは元々、かなり濃い色の仕上げとなっている。もう少し明るく、木目をきれいに出したいと思い、再仕上げをしてみることにした。
どうやらナカヤのストックは「アマニ油仕上げ」とはなっているが、ベースに濃い目の油性ステインorニスが塗ってあるようなので、まずは網目のヤスリで全体をザッと削る。次に、ラッカー薄め液(シンナー)を浸した布orティッシュでふき取っていく。そうするとニスが重なって黒くなっていた部分が落ちてゆき、きれいな木目が現れる。色は黒から、やや紫がかったウォールナット調に変化した。ただし若干、加工跡が見えてきた。これを隠すために暗めに色づけしているのだろうか。
元のニス(ステイン?)は染み込んでいるので、素地の白い色は全く出てこないが、これだけの処理で色調が明るくなり、また違った感じで”木”らしさがアップする。
ヤスリがけやシンナー拭きは、時間をかければかなりのところまで色が落ちていくが、今回は程々にしてあとはフィニッシュオイルで仕上げることにした。削る前にも一度オイルを塗りこんでみたが、布で少し擦るだけでいいツヤが出てきたので、それを一度試してみるのも良いだろう。
上記はシンナーで色抜きした後の状態。化粧を落としたような、いわばスッピンの状態。自然な印象で、全くフェイク・カラーには見えない。バットプレート部分に見えるのがもとの木の色であり、白すぎてイメージが全く異なる点にも注目していただきたい。ヤスリでもっと削っていけば、この素地が出てくるので、思い切って別の色に仕上げることも可能だろう。ここから、ワトコのオイルフィニッシュで仕上げをする。今回はミディアム・ウォルナット色を使用。植物性油脂が主原料で、良い香りがする。
その他、ロウを主原料としたワックス(手入れ用)、ステイン(浸透性塗料)、ニス(表面硬化塗料)など、パッケージは似ていても中身が全く異なるものがあるので注意が必要である。
さて、ここでオイルフィニッシュの特徴を記しておきたい。
オイルフィニッシュの利点
・施工に特別な用具が要らない
・施工が簡単で失敗が少ない
・拭き取るのでホコリを取り込んでしまう、何かの跡がつく等のことが無い
・皮膜を形成しないので自然な感じに仕上がる
・浸透するため、木質そのものが補強され割れにくくなる
・独特のオイルの芳香がある
オイルフィニッシュの欠点
・乾燥に時間がかかる
・無塗装とあまり変わりない、若干頼りない仕上がり
・拭き取りが不十分な場合はベタツいてしまう
・耐水性が悪く、水気の多いところには不適
・変色の可能性がある(黄色から黒色に変わったりする)
・年に一回程度、オイルを再塗布したほうがよい
より詳しく知りたい方はこちらのサイトを参考にされると良い。
オイルフィニッシュをすると、ストックがやや滑りやすくなるが、乾くとそのすべすべ感が心地よく、グリップ感にも問題は見受けられない。またこれならゲーム時に顔や手の脂がついても質感が落ちないという効果もある。オイルの軽い芳香も心地よく、きっと病み付き(?)になるに違いない。今回は、塗膜をそぎ落として、より”生木”の優しい感触になったが、表面の硬度を若干下げることになったかもしれない。オイルの前に透明なニスで一度上塗りするのも良いだろう。それにしても、木というのは奥が深いものである。これで VSR-10 も、より一層愛着がわくというものだ。
※参考情報:オイルフィニッシュについて
硬い塗膜を形成する塗料と違い、専用のオイルを染み込ませて乾燥させる仕上げ方法。オイルの浸透により形成される、柔軟性を持つ樹脂成分で外気を遮断し木材を保護する。この方法のメリットは木材の外側を柔らかく薄い塗膜が包むことにより、木材のしなやかさや温かみが活かせることで、すべすべした独特の心地よい肌触りも特徴である。メンテナンスは凝固して防湿をはかるオイルフィニッシュ用ワックスを使用する。
→東京マルイ VSR-10 次のレビュー記事 (vol.2)
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