GUN道場レビュー

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ニッケル水素バッテリーの扱い方 (vol.3) 〜突然の…1セルデッド

2009/12/18 By: maxi カテゴリー: パワーソース


ニッケル水素 バッテリー

←ニッケル水素バッテリーの扱い方 前回のレビュー記事 (vol.2)

ニッケル水素電池を不意に襲う、残念な事態
しばらくぶりのバッテリーネタとなるが、また、残念な事態が発生したので、悔しい思いを記録しておきたいと思う。前回のレビュー記事にあがった、下記NIMHミニバッテリーについては、現在も実に快調で、初めて「1年半以上」も生きながらえている、唯一の品である。充放電の容量計測が、1600mAhに満たない数値ではあるが、電圧は安定しており、まったく問題がない。

>[5] 8.4V 1600mAh ミニ・ザップド
>・購入後21ヶ月(2008/03)
>・過放電なし、好調な状態。

しかし・・上記[5]番の次に購入していた、[6] AKタイプ ザップドバッテリーが、あろうことか3ヶ月目(つまり10月)あたりに突然、1セルの寿命がつきてしまったようなのである。

[6] インテレクト 8.4V 1600mAh AK・ザップド
・購入後5ヶ月(2009/07)
・満充電保管、過放電なし、1セルがデッド。

やっかいなのは、1セルだけが問題というところで、

●100〜200発ほど撃つと、突然回転数が落ちて、7.2Vの状態になる。
→以前マルイUZIでわざと電圧を7.2Vに落としたニッケル水素を使ったことがあるが、こちらは100〜200発程度の発射後に勝手にその状態となる。(ただし撃ち続けることは可能)

●どのセルが問題か、バラして計測しないと分からない

ということで1セルが死んでいる以上、他のセルへの悪影響も考えられ、強固に溶接されている接続板を外すのも非常に手間なため、このあたりで使用を差し控えようかと考えている。せっかくのザップドであったにも関わらず、ハズレだったと諦めるしかないのかもしれないが、ここまでくると、ニッケル水素電池の不安定性にはさすがに懲り始めており、電動ガンの次のパワーソースは、LipoまたはLiFeへ完全移行してしまおうかと思う。MAC10 で使用しているLiPoは現在も快調であり、しっかりした充放電器を持って管理していれば、とくに不安になる必要はないが、使用の際は是非、知識を収集して理解のうえでご利用いただきたい。さて、ニッケル水素がなぜこうまでバラツキがあるのか、原因を色々考えてみた。

・インテレクト製セルの品質が悪い
セルの品質そのものに原因があることは大いに考えられる。他メーカーのものなら、もっとマシなのかもしれない。

・過充電を行った
大いにありうる。たとえ、オートカットの充電器だとしても、セルは7連になっていて、バラツキがあればどれか1本だけ過充電になっていた、ということもあるだろう。

・過放電を行った
保管状態からして無いはずではあるが、やはり使用しているうちに、7連のセルの1本だけが抜けてしまった、という可能性は否めない。ちなみに放電は1度も行っていない。

以上のことから言えるのは、NIMHの絶対的な管理は、基本的に無理だということではないだろうか。セルが直列7連になっていて、1セルあたりの管理や入れ替えもできない以上、いつどのセルがどうなってもおかしくない。あるいはセルの品質が良ければ、もっと長持ちするのかもしれないが、それでも「やってはいけないこと」をしていないはずなのに、知らないうちにそうなっていた、などは、悲しすぎる。
1セルあたりちゃんと管理ができ、安定性・パワー・瞬発力のある、リポやリフェに移行するのは当然の流れかもしれない。

→ 次のレビュー記事 「リポバッテリー」への移行 〜 爽快なレスポンス!

ニッケル水素バッテリーの扱い方 (vol.2) 〜賞味期限?と寿命

2008/8/31 By: maxi カテゴリー: パワーソース


ニッケル水素 バッテリー

←ニッケル水素バッテリーの扱い方 前回のレビュー記事 (vol.1)

ニッケル水素バッテリーはどれぐらいもつのか?
ニッケル水素バッテリーの寿命については、使い方などによって大きく変わりそうだが、どうやら性能を維持するにも「賞味期限」があるような事象を最近発見した。ただし、一言に賞味期限といっても、バッテリーのせいなのか私のズボラな管理のせいなのかは定かでは無いので、まずその点はご了承いただきたい。
各バッテリーには、購入して、使用しはじめた年月を記録してあるのだが、結論から言うと「約1年」で賞味期限が終わるのではないか?、ということで、下記に色々な例を示しておいた。

※購入時期は2008年08月時点から遡った年数となる。

[1] 8.4V 1100mAh ミニバッテリー
・購入まもなく過放電(放電器つなげっぱなし)により、完全にデッド

[2] 8.4V 1400mAh AK ウナギ バッテリー
・購入後2年 (2006/09)
・半年ぐらい放置したら、自然放電でカラになりデッド
・充電はでき一応撃てるが(回転数低下)、1日経つとカラになる

[3] 8.4V 1400mAh ミニバッテリー
・購入後1年6ヶ月 (2007/02)
・過放電は無く一応使えるが、目に見えて回転数が低下

[4] 8.4V 1400mAh ザップド AKバッテリー
・購入後1年(2007/07)
・過放電は無く一応使えるが、目に見えて回転数が低下

[5] 8.4V 1600mAh ザップド ミニバッテリー
・購入後5ヶ月(2008/03)
・過放電なし、好調な状態。

誤って放置してしまったものもあるが、基本的に1-2ヶ月に一度は使用を含めて、カラになっていないかのチェックを行っていた。使用条件や管理方法によって大きく変わると思うが、コンピュータ管理のできる高価な充放電器を買うよりも、1年毎にバッテリーそのものを買い換えたほうが安いのではないか、とも思う所である。(今のところ1Aの充電器と、放電器しか持っていない。)
もちろんそれは「ベストな状態」で使いたい場合に限るので、1年でローテーションを組むのは、回転数が鈍くなってセミオートのキレも落ち、気分的にスカッとしない点をどう受け取るか、という観点によるだろう。私は交換したいほうだ。何となくクルマのオイル交換と似ている(値段も!) また、こういった弱点を嫌ってニッカドに戻るという手もあるが、とくにミニやAKにおいては何本も管理しなければならない点を良しとするかどうか、が好みの分かれるところであろう。

高級チャージャーの薦め
2009.08に、ABCホビーの「AC/DCエキスパートチャージャー LiFePO4」を導入し、NIMHで最も懸念となっていた過放電の管理が容易になった。「バッテリー」は、ただでさえ中身の分からない物であるため、少しでも可視化できるコンピュータ・チャージャーを導入したほうが良い。それによりバッテリーの寿命を延ばせる(本来の寿命を全うできる)なら言う事はないだろう。

ABCホビー マルチ 充電器

→ニッケル水素バッテリーの扱い方 次のレビュー記事 (vol.3)

ニッケル水素バッテリーの扱い方 (充電・放電の注意点)

2006/10/02 By: maxi カテゴリー: パワーソース


ニッケル水素バッテリーの扱い方
一筋縄ではいかないニッケル水素バッテリーの扱い
値段が安い上に、容量が大きく、メリットが大きく見える「ニッケル水素バッテリー」。ミニバッテリーやAKバッテリーのサイズで1400mAhなど、1日中サバゲーで遊んでも切れない大容量は頼もしい。RC業界も含め、実用的な製品が増えてきたが、従来のニッカドバッテリーよりも細かい管理を要求されるのも事実である。ここでは、知っている範囲で、簡単にニッケル水素の特性(デメリット)と、扱いの「ルーチン」について記載しておきたい。

特性:ニッケル水素のデメリット
1. 自己放電が激しい…1-2週放っておくと勝手に容量が減ってしまう特性
2. 発熱や寒冷にあまり強くない… 特に寒いと充分な性能を発揮しない
3. 買った直後でも、完全放電してしまうと使用不能になる
4. 安価な充電器ではデルタピーク検出をミスる場合があり、性能を発揮できない。(満充電時の電圧降下が少ない)
5. 電池の内部抵抗が大きく、最初の立ち上がりがニッカドより遅い

ニッケル水素の充放電ルーチン 購入時と保管
・購入時、若干電気が入っているが、確実に放電が進んでいるはずのため、NIMH対応充電器でまずは充電する。バッテリーメーカーにもよるが、基本的には1A前後での充電が指定されている(詳しくは説明書を確認)。
・残りの少ない場合、1400mAhなら1時間弱で充電は終わるが、その間「目を離さない」こと。
充電器(機種・または状態)によってはデルタピーク検知(終了の検出)をミスって充電し続けてしまう場合があるので、バッテリーの「発熱」状況にも注意しておき、電池が温かくなっていたら即、充電を中止する。使用しないときは、必ず電気の入った状態で保管しておく。

サバゲー向け 使用時のルーチン

■サバゲー2日前
前回充電時から時間が経っているなら、サバゲー2日前に一度放電器にかける。容量が大きいため放電に時間がかかるが、放電完了の合図がでたら速やかに外しておく。できれば数日で小時間に分けて放電し、目を離すことが無いようにしたほうが良い。ちなみにNIMH対応 放電器は、少し残った状態でストップさせるように出来ているが、つなげっぱなしにしておくと電圧が回復するごとに放電されていってしまうため、最後には完全に空になる。その点も注意すべき。(筆者はコスモ放電器を使用し、一度これでNIMHを亡くしている…)

■サバゲー前日
充電を行う。(放電完了から1日置くのは、バッテリー内部を安定させる意図もある。ただし放電終了から連続で充電に入っても、実用にはさほど問題は無いだろう)

■サバゲー当日
使用する(ニッケル水素に限らず、接続は現地で行うこと)

■サバゲー終了 帰宅後
バッテリーが切れた場合…帰ったらGUNから外してすぐに充電を行い、保管しておく。切れなかった場合… 帰ったらGUNから外して、そのまま保管。次回は■サバゲー2日前 からスタート。

要は、カラの状態を避けることが、ニッケル水素電池存続の必須条件といえる。放電器にかけっぱなしにしたり、切れたまま放置しておくと、ほぼ “間違いなく”そのバッテリーは死んでしまう。極性の逆転が起こって電圧が下がる(一部のセルがダメになる)ようである。扱いによっては、買ってすぐダメになる場合もあるということなので、管理には注意したほうが良い。

2009.06 ニッケル水素4年生
ニッケル水素を使い始めて、はや4年が経とうとしている。(バッテリーが4年持ったわけではないのであしからず)どうにもズボラな私は、最近、放電をしなくなった。いや、放電のダメージが意外にも大きいという情報を得て、必ずしも必要ではないことに気づいたのだった。そして・・・そのおかげで1年を過ぎても性能を維持しているバッテリーがある。個体差もあるかもしれないが、テキトーな強制放電は劣化を招く、ということは言えるかもしれない。

ルーチンとしては、上記の
>■サバゲー2日前 を廃止し、現在は継ぎ足し充電のみ行っている状況である。
メモリー効果を感じるほどのものもなく、非常に快調なため、しばらくこれで様子をみたいと思う。いやはや、見えないものの管理というのは非常に難しい。

2009.08 真打ちチャージャー導入
ついにABCホビーの「AC/DCエキスパートチャージャー LiFePO4」を導入。なかなかいい値段がしたが、最も懸念となっていた放電の管理が容易くなった。それのみならず、下記のような特徴があり、もはや手放せないアイテムである。

charger ABC Lifepo4

特徴
・ジョグダイヤルとボタンだけで全ての設定が可能
・ディスチャージ(放電) から チャージ(充電)へ自動で移行できる。その間を何分空けるかまで設定。
・放電→充電に際し、どの程度の容量を抜いて、蓄えられたかが表示される
・放電→充電それぞれの電流を設定できる
・温度計まで付いていて、温度管理できる

・リポバッテリーのバランス充電に対応
・リチウムフェライトバッテリーにも対応

リチウム系はそのパワーや安定性に目を見張るものがあり、そろそろ移行したいところである。携帯電話の電池と同じで、寿命は1~2年ぐらいだろうかと想像しつつ、今のNIMHが寿命を全うしたら順次、導入を考えている。導入時にまたレポートしたいと思う。

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→ニッケル水素バッテリーの扱い方 次のレビュー記事 (vol.2)

2009.12 ニッケル水素時代の終焉
長らくパワーソースとして活躍してきたニッカドバッテリーに比べて、倍以上の大容量を実現したニッケル水素バッテリーだったが、さまざまな欠点があり、電動ガンに適しているとはいえなかった。特に「使わない時」の管理が難しく、セルが管理できないため、結果的に寿命も短い。出力特性にも限界があった。それらを全て解消したのがリポバッテリーである。

【電動ガンの革命児 ET-1 リチウムポリマー電池】
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