サバイバルゲーム/エアソフトウォー
こんな野蛮(?)で楽しい遊びが生まれて久しいが、皆さんはどのように接しているだろうか。もちろん「GUN道場」に来た方なら、サバイバルゲームに興味があるという前提で話をさせていただきたい。
これ以上楽しい遊びは思いあたらない
サバイバルゲームの何が楽しいかと言えば、例えばTVゲームなどのバーチャルなゲームよりも一層「リアル」に「スリルや緊張感」を感じられることにある。指先だけでキャラクターを動作させながらGUNを撃つのとは全くワケが違い、自らが銃を狙って撃ち、また色々なキャラになれる楽しみがある。さらに言えば、サバイバルゲームとは相手に触れない「格闘技」である。
また少し別の観点から見ると、「何も傷つけることなく」人間の「狩猟本能」的な部分を満たしてくれるような所もあるだろう。それ以外にも「TVや映画の主人公気分」であったり、「森や自然」「時代や憧れのスタイル」を楽しむ、など人それぞれの楽しみ方がある。またゲームの内容をよく練れば、映画やドラマの1シーンを再現して楽しむ、といったこともできる。その中でさまざまな銃のセレクトや戦術、戦略を含めて考えていくと無限大に楽しみが広がっていくのである。あまりに奥が深く、終わりがないホビーと言える。
しかし、どうしてもベースデザインは「軍事」や「武器」「リアリティ」となってくるため、社会的に理解されないのはやむをえないだろう。銃のはこびる現代世界の中では残念ながら「不健全なアソビ」と見られてもしょうがない。今後もひっそりと楽しむしかないだろうが、それでも良いと思う。専用の場所で一般人に迷惑をかけずに遊べる環境があれば十分である。
大切なルール
エアーガンを趣味にしていると、どうしても銃の知識や情報は避けて通れないが、実銃の知識よりもエアーガンの扱いは最低限身につけるべきである。特に一般の人に配慮した運搬方法や、安全な使用法は絶対にマスターすべきだ。法律規制にまでつながった数々の残念な事件は、今後絶対にあってはならないことだ。
日本ではエアガンという玩具を持ち出して「遊べる」ということに感謝し、幸せを感じるべきではないだろうか。
また私が願うのは、世界中から「戦争」「紛争」が無くなって、このゲームがスポーツとして確立されることである。よく考えれば、スポーツのほとんどは古代の”戦い”を基にしているはずである。
サバイバルゲームは「戦争ゴッコ」ではなく「一つのスポーツ」としてとらえるべきであり、相手を傷つけたり、ダメージを与えるのが目的ではないという事は、最初から最後まで念頭に置かなければならない。スポーツ、戦闘ゲームであるがゆえに疲労や苦痛も体験することにはなるが、他人と遊ぶ以上、相手を思いやる必要がある。
具体的には、第一に「パワーアップ」をしないことだ。パワーアップは、自分から見れば何か強くなったような気分で満足なのかもしれないが、撃たれる側にとっては痛さが増すだけの嫌なものである。私はヒットもとるが、よく撃たれもするため、パワーアップには断固反対している。今でこそ上限0.98Jという規制がつくられたが、だからと言って手持ちのガンをすべて0.98Jにアップするのはいかがなものかと思う。
エアーガンにはせっかく色々なバリエーションや個性があるのだから、それを理解し、うまく生かして使い分けをするほうが面白いのではないだろうか。必要以上の性能に頼らないといけないのは、腕がなければ戦略もない。例えば将棋やチェスを思い浮かべて欲しい。基本的に各コマは、ルールとして自身に与えられた力で、与えられた動作しかこなせないが、その制約の中で相手の動きを読み、他のコマ(仲間)と連携することでこの上ない楽しみや勝利を得られるはずである。
力に憧れ、パワーが欲しいという方や、飛距離が50mでは足りないという方は、早々に「諦めていただく」のが良いだろう。パワー以外の楽しみはいくらでもある。むしろ、パワーではないところに楽しみがある。
ゲームをするには今のエアーガンは十分すぎるほど高性能であり、「パワーアップ」は犯罪や、戦争の性質に近づいているものだということをよく認識して、健全に、相手への思いやりを忘れずサバイバルゲームを楽しんでいただきたい。
2006.09 ━━━━
さて、2006年9月から東京マルイのサバイバルゲームゲーム専用フィールドがついに運営開始となった。コアなマニアには「マルイ製品しか使用できない」というレギュレーションなどに不満もでているが、初心者や慣れていない人を取り込もうとしている新しい視点が特長ゆえに、これはこれでアリと思っている。フィールド=舞台は絵になるし、例えばここでネット配信のサバゲー番組などを作ってもいいのではないだろうか。前々からゲームとのコラボをしているマルイだけに、今後はこういったソフト面でも色々企画を練っていって欲しいものである。
また、同じエアーガンでも、ベースとする銃には色々な歴史や世界があって奥が深い。個人的には電動ガンやブローバックばかりでなく、フリントロックやウェスタン系など古いモデルアップも充実していって欲しいと願っている。ゲームは、「効率の悪い」道具であればあるほど、頭を使わなくてはならないため、どんどん面白くなる性質があると考える。