ニッケル水素バッテリーの扱い方 (充電・放電の注意点)
一筋縄ではいかないニッケル水素バッテリーの扱い
値段が安い上に、容量が大きく、メリットが大きく見える「ニッケル水素バッテリー」。ミニバッテリーやAKバッテリーのサイズで1400mAhなど、1日中サバゲーで遊んでも切れない大容量は頼もしい。RC業界も含め、実用的な製品が増えてきたが、従来のニッカドバッテリーよりも細かい管理を要求されるのも事実である。ここでは、知っている範囲で、簡単にニッケル水素の特性(デメリット)と、扱いの「ルーチン」について記載しておきたい。
特性:ニッケル水素のデメリット
1. 自己放電が激しい…1-2週放っておくと勝手に容量が減ってしまう特性
2. 発熱や寒冷にあまり強くない… 特に寒いと充分な性能を発揮しない
3. 買った直後でも、完全放電してしまうと使用不能になる
4. 安価な充電器ではデルタピーク検出をミスる場合があり、性能を発揮できない。(満充電時の電圧降下が少ない)
5. 電池の内部抵抗が大きく、最初の立ち上がりがニッカドより遅い
ニッケル水素の充放電ルーチン 購入時と保管
・購入時、若干電気が入っているが、確実に放電が進んでいるはずのため、NIMH対応充電器でまずは充電する。バッテリーメーカーにもよるが、基本的には1A前後での充電が指定されている(詳しくは説明書を確認)。
・残りの少ない場合、1400mAhなら1時間弱で充電は終わるが、その間「目を離さない」こと。
充電器(機種・または状態)によってはデルタピーク検知(終了の検出)をミスって充電し続けてしまう場合があるので、バッテリーの「発熱」状況にも注意しておき、電池が温かくなっていたら即、充電を中止する。使用しないときは、必ず電気の入った状態で保管しておく。
サバゲー向け 使用時のルーチン
■サバゲー2日前
前回充電時から時間が経っているなら、サバゲー2日前に一度放電器にかける。容量が大きいため放電に時間がかかるが、放電完了の合図がでたら速やかに外しておく。できれば数日で小時間に分けて放電し、目を離すことが無いようにしたほうが良い。ちなみにNIMH対応 放電器は、少し残った状態でストップさせるように出来ているが、つなげっぱなしにしておくと電圧が回復するごとに放電されていってしまうため、最後には完全に空になる。その点も注意すべき。(筆者はコスモ放電器を使用し、一度これでNIMHを亡くしている…)
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■サバゲー前日
充電を行う。(放電完了から1日置くのは、バッテリー内部を安定させる意図もある。ただし放電終了から連続で充電に入っても、実用にはさほど問題は無いだろう)
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■サバゲー当日
使用する(ニッケル水素に限らず、接続は現地で行うこと)
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■サバゲー終了 帰宅後
バッテリーが切れた場合…帰ったらGUNから外してすぐに充電を行い、保管しておく。切れなかった場合… 帰ったらGUNから外して、そのまま保管。次回は■サバゲー2日前 からスタート。
要は、カラの状態を避けることが、ニッケル水素電池存続の必須条件といえる。放電器にかけっぱなしにしたり、切れたまま放置しておくと、ほぼ “間違いなく”そのバッテリーは死んでしまう。極性の逆転が起こって電圧が下がる(一部のセルがダメになる)ようである。扱いによっては、買ってすぐダメになる場合もあるということなので、管理には注意したほうが良い。
2009.06 ニッケル水素4年生
ニッケル水素を使い始めて、はや4年が経とうとしている。(バッテリーが4年持ったわけではないのであしからず)どうにもズボラな私は、最近、放電をしなくなった。いや、放電のダメージが意外にも大きいという情報を得て、必ずしも必要ではないことに気づいたのだった。そして・・・そのおかげで1年を過ぎても性能を維持しているバッテリーがある。個体差もあるかもしれないが、テキトーな強制放電は劣化を招く、ということは言えるかもしれない。
ルーチンとしては、上記の
>■サバゲー2日前 を廃止し、現在は継ぎ足し充電のみ行っている状況である。
メモリー効果を感じるほどのものもなく、非常に快調なため、しばらくこれで様子をみたいと思う。いやはや、見えないものの管理というのは非常に難しい。
2009.08 真打ちチャージャー導入
ついにABCホビーの「AC/DCエキスパートチャージャー LiFePO4」を導入。なかなかいい値段がしたが、最も懸念となっていた放電の管理が容易くなった。それのみならず、下記のような特徴があり、もはや手放せないアイテムである。
特徴
・ジョグダイヤルとボタンだけで全ての設定が可能
・ディスチャージ(放電) から チャージ(充電)へ自動で移行できる。その間を何分空けるかまで設定。
・放電→充電に際し、どの程度の容量を抜いて、蓄えられたかが表示される
・放電→充電それぞれの電流を設定できる
・温度計まで付いていて、温度管理できる
・リポバッテリーのバランス充電に対応
・リチウムフェライトバッテリーにも対応
リチウム系はそのパワーや安定性に目を見張るものがあり、そろそろ移行したいところである。携帯電話の電池と同じで、寿命は1~2年ぐらいだろうかと想像しつつ、今のNIMHが寿命を全うしたら順次、導入を考えている。導入時にまたレポートしたいと思う。
→ニッケル水素バッテリーの扱い方 次のレビュー記事 (vol.2)
2009.12 ニッケル水素時代の終焉
長らくパワーソースとして活躍してきたニッカドバッテリーに比べて、倍以上の大容量を実現したニッケル水素バッテリーだったが、さまざまな欠点があり、電動ガンに適しているとはいえなかった。特に「使わない時」の管理が難しく、セルが管理できないため、結果的に寿命も短い。出力特性にも限界があった。それらを全て解消したのがリポバッテリーである。